広辞苑では、結婚を、夫婦間の継続的な性的結合を基礎とした社会的経済的結合と説明されている。成人男女の性的関係というのは、それが成立するのにとくに規範や制度を必要としない。社会がその関係の成立を許容し承認するのは、それが結婚というかたちをとることによるのね。
最近、日本では、本人の意思で結婚しないことを選択することを〈非婚〉といっている。未婚というと、本人は結婚を望んでいてその状態にたどりついていないかのような印象を受けるが、〈非婚〉は結婚しないことを意識的に、意思をもって選択しているという表現なのね。
平均結婚年齢は年々上昇、未婚率も上昇していて、非婚化・晩婚化が進んでいるという。その要因については、一般的には女性の高学歴化や社会進出などといわれてきた。女性が相当程度の収入を得られる社会になったことで、ことさら結婚しないと生きていけないというような状況ではなくなったのね。
女性の視点からいうと、男性と同居することの魅力がなくなってきたのかもしれない。また年収の低い男性の視点からいうと、不況で将来の見通しが不安定なのに、結婚どころではないということがある。自分が生きていくだけでも大変なのに、配偶者の面倒をみる余裕などない、子育てができるわけがないということである。
30年ほど前までは、男性は年功序列制度により、若い間は年収が低くても将来的には増える見通しがあり、将来が不安視されることはなかった。だが、その頃から社会構造が変化し始めた。少数の中心的労働者(大企業の正社員や一部の専門職など)と、多数の非中心的労働者(非正規社員など)という状況へ変わっていったように思える。このことで多数の男性は年収が低いために将来の見通しが不安定な状態になり、結婚しづらい状況となったのではないか。
しかし一面では、仮に正社員で収入があっても、男性自身が結婚しない、結婚したがらないことも増えているという。結婚にとくにメリットを感じない、女性と暮らすことにあまり積極的でない男性が増えているらしいのである。現代は、自炊をしなくともコンビニなどがあり、家事においても便利な家電製品があるので、女性に頼らなくても十分に快適な生活が成り立つのである。そういうことで、経済的に余裕のある男性も結婚するメリットを感じず、むしろ縛りがある結婚自体を避けることになる。
現代のスウェーデンでは、半数以上の女性が未婚のまま出産し、多くはそのまま生涯未婚を通すのだとか。こうした婚外子は年々増加しつつあるらしい。結婚しなくても、子育てに関する社会保障が法的に定められているからである。本当に愛し合い、一生連れ添いたいとおたがいが思った場合のみ結婚するという考えが一般的になりつつあるのだとか。かなり先のことだろうが、日本もやがてはそうなっていくのかもしれない。幸せのかたちを探ると、〈非婚〉もふつうにこれからの男性女性それぞれの選択肢のなかにあるということになる。
Loading...















































