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2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。手元に届いている作品は、平成4年から平成17年まで。十四年間の作品の抄出がもうすぐ終わります。たぶん先生の寝屋川のお家に残っているだろう平成18年以降の作品が気がかりです。遺されているはずの俳句や短歌も抄出してまいりますので、ご遺族の方がここをご覧になっておられれば引き続き出版社にお届けいただきたく、お願い申し上げます。(メモなど、どんなかたちでも結構です)

前田咲二遺句集 平成9年』【31】
かんでふくめるようにそこまで言わんかて
菊に凝り菊の深さを思い知る
寄せ書きに十年ぶりの名が和む
田畑はいいから株をくれという
どうしても父の竹とんぼが越せぬ
渇水の湖から古代史がのぞく
小さな渇きを癒やす小さな缶ビール
校庭の隅でいじめの芽が伸びる
あなたを狙うと火縄が濡れてくるのです
愛が足りなくて翼がひらかない

燻ぶらぬように男を湿らせる
テレフォンカードの穴から人生をのぞく
どちら切るわけにもいかぬ二頭立て
むつごろうの恨みが臭う干拓地
落人の樹にからまっている民話
太陽に話せぬことは何もない
水の底を水が流れている輪廻
佐藤春夫の生家がおらの村にある
埋火ほどの怒りはいまももっている
紀伊國屋の広さが文化かも知れぬ

道草を食べて大きくなった友
先斗町の路地で男を見失う
もうよいと神が言うまでただ歩く
泣かされるたびに子供の知恵がのび
曽根崎署の前 寅さんとすれ違う
照る日くもる日アルバムのちちとはは
欲を捨てると的が大きく見えてくる
求愛の瞳は猫に負けている
不惑まだ逆転の石ふところに
パレットナイフで沖へ夕日を塗りつける

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川柳の横綱・前田咲二遺句集(平成9年)【31】‥《水の底を水が流れている輪廻》”にコメントをどうぞ

  1. 前川奬 on 2019年1月23日 at 11:57 AM :

    たむらあきこ様
    ご抄出の故前田咲二さんの遺句は既に2500余句。
    おかげさまで故前田咲二さんが番傘時代に詠まれた
    川柳をたくさん読むことができました。ありがとう
    ございます。
    遺句集完成まであと少し、くれぐれもご自愛ください。

    • たむら あきこ on 2019年1月23日 at 8:42 PM :

      前川奬さま
      あらためて思うこと。
      これほどの数が抄出できるのは、やはり横綱。
      ふつうは句集一冊にやっと10句が抄出できればいいほうなのね。
      採れる句が一句もないという句集も多いのです。
      実力とは、こういうことなのでしょう。
      川柳界のためにも、先生の軌跡として、若い頃からの俳句や短歌も含め作品のすべてを把握したいものですが。
      祈るしかないですね。

      追伸
      先生が番傘同人だったことはないので、番傘時代というのはありません。
      ずっと瓦版の会同人で、番傘本社句会に出ていただけのこと。
      瓦版の会も番傘系なので抵抗はないのね。
      番傘系の句会のほかに、大会はあちこちに出席しておられましたが。
      番傘同人でないのに、本格川柳を詠んで森中惠美子先生とともに横綱とたたえられました。

  2. 昌紀 on 2019年1月23日 at 1:27 PM :

    どちら切るわけにもいかぬ二頭立て
    紀伊國屋の広さが文化かも知れぬ
    曽根崎署の前 寅さんとすれ違う

    俳句や短歌はともかく、平成18年以降の句、何が何でも見たいですね。
    柳誌から入選句を探し出すという人海戦術もあるでしょが、とてつもない作業になりますね。

    • たむら あきこ on 2019年1月23日 at 9:00 PM :

      昌紀さま
      先生がご自分の履歴をすべて教えてくださったのは、句集を出す意志があったから。
      尻すぼみになったのですが。
      先生を遺すことは、川柳界のためでもあると思うのです。
      きちんと、自分の句集を編むように、先生の句集を仕上げたいと思います。
      まずは、二月までに一応の抄出も終えることができ、安心して台北に行けると思います。
      句集をどのようなかたちにするか、それが問題。
      『前田咲二遺句集』上(中)下巻、そのあとで代表句350句ほどの『前田咲二川柳集』として出すか。
      出版社とも相談のうえ、しっかりと考えていきたいと思っています。

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