※2月いっぱいで抄出を終えるため、急いでいます。多くの句を読み込み写してまいりますと、亡父母に対する先生の思いの深さが沁みてまいります。ことにご苦労されたらしい母上に対する感謝と思いの深さ。
『前田咲二遺句集 平成7年』⓲
骨は拾ってあげる年金見返りに
一徹だった父真っ白に焼けました
亡父の仕草で柱時計のネジを巻く
大黒柱になにも相談してくれぬ
定年後のボート手の鳴る方へ漕ぐ
教団の柱一本ずつ抜かれ
落日のつぶやきが聴きとれますか
妻が読んでいるとわかって書く日記
シナリオも読まずに女ついてくる
ロボットにだって過労死きっとくる
尊師という人の飽くなき夢日記
ひたむきな出家信者の目が悲し
都合が悪くなると瞑想するあなた
ファッションブックのコピーが街をかっ歩する
子を連れたおばはん神を売りにくる
だんじりの難所で軒が新しい
女から男へ届く果たし状
肝心なときにはいなくなるあなた
火の消えた男の愛が重くなる
言い勝った方も疼いているだろう
近道はないよと亡父の声がする
朝の水足して仏花をととのえる
イチローの打球は野手を避けて飛ぶ
火を焚いてあげようこころ開くまで
女ひとり鬼も仏もノックする
帯を解きおんなを解いている独り
秀才がクラス会には出てこない
過労死を夾竹桃は知っている
コンビニの灯の明るさに救われる
若者のバイクがコンビニを囲む
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