※時間がないので、少々急いでまいります。いま夜中の3時22分。目が疲れたら横になり、眠ってしまうこともあるが、いろいろ考えごとをしていて眠れなかった。暗闇で目を閉じているだけでも目は元気になるので、起きて再び遺句集の入力にかかる。目が乾いているが、自然としっかり涙が出て眼球をうるおしてくれる。まずは目の元気なうちに一字も間違えることの許されない句の抄出を続ける。
『前田咲二遺句集 平成16年』【46】
郷土誌に思わぬ文豪の秘密
年金があるから添うているのです
バンザイの声を忘れていない 耳
百人の女の声を聞き分ける
札束の厚さ以上を期待する
あんさんの影も薄いやおまへんか
なあ影よすこし離れてくれないか
マツタケの匂いを知らぬ換気扇
写楽のように上手に消えてみたくなる
夫とは一緒に転びたくはない
悪友が今でも妻に惚れている
月の砂漠にヘイタイさんは似合わない
父と一緒に貨車を数えたことがある
二十五時 波長がぼくに合ってくる
納棺の枕は海に向けてくれ
反戦へ 署名スクラム組んでいる
雷さんに盗られますよと児を包む
一勝もしてはならないハルウララ
女と話するとこちらを見る 女
天秤座ですどなたにも靡きます
平山郁夫の祈りか襖絵の怒涛
やわらかい物腰スパイかもしれぬ
駅弁の蓋のうれしいごはん粒
顔洗う水打ちつけて打ちつけて
老馬われときに厳しい鞭を当て
妻によく当たった疾しかった頃
美しく拒まれてまた好きになる
書棚から抜く一冊に癒される
借景にビルが頭を出している
嵯峨豆腐 小さな嘘を許し合い
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