長谷川等伯(京都・智積院)吟行25句 (2018/12/12)
楓図の中から等伯のもしも
楓図が訣(わかれ)へ翳を抱いている
久蔵のたましい 桜図のさくら
あの世この世を 八重のさくらが咲きほこる
炎えている沈黙 楓図のなかの
老木へも夢ひとひらは訪れる
起き上がり小法師の影を生きている
楓桜 父子のかたちを立っている
障屏画剥落 わたくしの剥落
楓図の中へと見抜かれるわたし
すこしずつ錆びるきのうもわたくしも
「松林図屏風」
象(かたど)って此岸の端の空気感
類ないものへと風に彩がつく
松林にときどき唸る風がある
松林の中から響きだしている
わたくしの中へと畳みかけられる
輪の端できのうに入り込んでいる
きのうの風の重さやさしさ
かなしみに鳴る等伯の風車
右隻左隻を吹きぬけるかぜ
左隻右隻に風鳴る生きもののように
撥ね散っている筆先のはらむかぜ
濃淡の霧の向こうへ呼びかける
牧谿へ系譜辿ってゆく 画風
すこし離れると光がみえてくる
(※智積院では、今回「松林図屏風」は見ていません。)
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