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胸やけが訴えている今日の罪 小松くみ子
 「胸やけ」は胃酸逆流による食道内の灼熱感。「罪」と結びつけることにやや違和感。
罪ひとつ胸の痛みに責められる 

墓参り男の涙丸洗い 沢田 博昭
 亡くなったのは母か妻か親友か。いずれにしてもただならぬ「涙」。
男の涙で丸洗いする妻の墓  

耳遠くぼんやり納得して夫婦 浅川 静子
 「耳遠く」の説明をどう一句に組み込むかに苦慮。
とんちんかんに納得し合う老い二人
とんちんかんを交わす夫婦の遠い耳 

苦は楽の種かと種を噛みながら 有澤 嘉晃
 下五は言い切ったほうが。
苦も楽の種かと種を噛んでいる 

抜け落ちた記憶に眠るはずの無垢 越智 学哲
 「眠るはずの無垢」を一考。
無垢だった頃の記憶が抜け落ちる 

ロウソクの灯りとラジオ長い夜 櫻田 秀夫
 「灯り」は不要。
ロウソクとラジオ頼りに明かす夜 

母の智恵きつく躾けて子の為に 島田 洋審
 「母の智恵」を取る。
子のためにきつく躾けて報われず 

もつれ糸解けないままの熱帯夜 岩本 英樹
 思案が迷路に入ったことの暗喩が「もつれ糸」。結句は「熱帯夜」でもいいが、他にないか探す。
もつれ糸(ほど)けぬままの午前二時

親しげにLNEが声をかけてくる すずき善作
 つねに新しい素材・テーマを探す姿勢が大切。自身の内側へもアンテナを向ける。このままで。

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