※時間がないので、少々急いでまいります。
『前田咲二遺句集 平成14年』【31】
もう一人のわたしを道草で探す
回遊魚みなケイタイを持っている
ピカソ展顔半分が痒くなる
解らないままに頷くピカソ展
値引きラベル貼られるころに買いにゆく
お互いに邪魔と思っている夫婦
モナリザの微笑の翳を見ましたか
だんだん妻の罠に嵌まってゆくようだ
柩の中で顎が外れるほど笑う
総理の立場で物を言うとああなる
チャップリンの帽子見事に助演する
影踏みの影が私を踏みたがる
団結を言わなくなった労働者
欠席の返事を出してからの火よ
年下で耳のきれいな男です
噴水の街でわたくしを探す
プロポーズはあなたで決めたのはわたし
聞く耳はもたぬがちゃんと聞いている
夏は速足 孫のかわいいおちんちん
ぼくの地図からときどき妻が居なくなる
遭難地図をなどれば指が濡れてくる
うたがいが晴れると空が高くなる
明りをつけるとお帰りと部屋が言う
憲法を刻んで日の丸に包む
急に来るから仮面をつけるひまがない
通帳の残が慌てているようだ
景気よりぼくの財布が底を打つ
すげ替える首ならたんとございます
好きでなければああまでは逆らわぬ
四天王の足はわたしを踏みたがる
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