いつまで元気でいられるか分からないので、まずは先師の遺句集をはやく出すための抄出に時間を取っております。一日に二度のアップになるかもしれませんが。千数百句をまず拾いだして、そこから絞ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。時間がないことは予定の『たむらあきこ吟行千句』についてもおなじなので、こちらも同時進行といたします。
いただいている懇切なお手紙に時間がなくてお返事ができていないことを、つねに心苦しく思っております(すべて大切に保管)。どうか、お許しください。いまはお電話やメール、ブログへのコメントなどでよろしくお願いいたします。(お手紙の中にお電話番号などを記していただけたらすぐにお返事いたします)
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『前田咲二遺句集 平成12年』【15】
振り出しに戻ると湧いてくる力
分裂を重ねていまのぼくがある
大輪の花を咲かせてまだ惑う
軋む廊下 鴬張りと言うておく
ビルの廊下に失業率が落ちている
草野ゆらゆら霊園送迎バスが行く
リボンでもつけてやりたいようなひげ
男ひとり爪と髭とがよく伸びる
岸を離れて声上げている流し雛
浪花うきうき門左衛門も織田作も
ぼくだって噴火をしたいときがある
五時からの顔をカバンに入れてある
男とはいつもマグマを抱いている
行方不明のわたしを探す旅に出る
一本の葦にたとえて耐えている
噴煙の中 月は欠け月は満ち
肝っ玉かあさんパチンコも強い
半眼に心の底を見透かされ
妻はまだ古い火種を抱いている
遺言に火種を一つ入れてある
実印に修羅を渡った創がある
そう言えば芸者を揚げたことがない
来世紀へ長い詫び状書いている
島の宿 魚拓いっぱい貼ってある
佐藤春夫の生家の前の白魚舟(しらおぶね)
好きな人の予測の逆に賭けてみる
泡は吐き終った潮が満ちてくる
神の名で人間好きなことをする
そう言えばあの神はまだ塀の中
阪神の打撃コーチをしたくなる
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