「川柳作家ベストコレクション」から抄出20句①【德永政二】
第一章 山の鳩
やわらかいタオルひとりというものよ
泣いているときも魚は水の中
全身を使って象の起き上がる
君の全部僕の全部と橋の上
ひとりいるようなふたりになっている
線香の端をつかんでいる煙
夕焼けをひっぱっている鳥の数
たどりつくための大きな声である
第二章 一本の線
犬小屋の中に入ってゆく鎖
弟の中を走っている電車
一本の線をずうーっと引いている
泣いている人を運んでいる電車
箸袋こまかく折って泣いている
これからのことが黙って立っている
仏壇の水のこぼれたあとを拭く
まっすぐはあかんやっぱりおもろない
ここまでは水でここから私です
向こうにも今がいっぱいあるらしい
なつかしいことはなんだかはずかしい
生きているみんなころがるようにして
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