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二上山吟行 (大津皇子幻想) 25句(2018/3/14)
 磐余(いわれ)の池の風となりゆく
ふたかみの移葬のときを風も啼く
移されてきみの屍(かばね)のねむる丘
弟背(いろせ)へ蓋閉じられてゆく風の中
丘のどこかに聞き耳をたてている
ふたこぶのやまのふもとのきみが塚
忘却へ向く 風にうつそみ
 1300年晴れぬ死の山
 古伝を捲る 八方に風
『死者の書』の仮託きのうがよみがえる
池の畔(くろ)にきのうの鴨が鳴いている
誄歌(なきうた)なのかせせらぎの音なのか
墳丘の崩れきのうを近くする
石槨の中にあなたの昏(くら)い息
貼り石の剥がれをそっと撫でる月
方墳に閉じ込められていたきのう
岩牀(いわどこ)きみのすべては風になる
墳丘に立てば藤原京址が沈む
わたくしの中の屍が起きあがる
ふり返りながらふたかみ遠くする

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