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台東区松が谷・祝言寺吟行27句(2017/9/29)
―不世出の柳人、尾藤三柳師に捧ぐ
道灌の野太い声のみえる門
五七桐紋が門扉を光らせる
萬年山祝言寺門前の秋
あしたへの産道 石までの秋陽
辿りついたところの師の影の寡黙
こころざし 長身の師の蘇る
呻吟のきのうか 師にもわたしにも
哀しみを研いできみへと結ぶ糸
定位置の石の黙(もだ)から透けてくる
陽の下 きみへ真水を研いでいる
存在の大きさ 師の石の正座
道程のここまで凛と立っている
師の一線上をなぞっているところ
そこここに師の影の立つ祝言寺
錯綜のきのうは無彩色の戯画
きのうの足音から師の影をさがす
彩りになるまでの秋色
ひとつずつ禅語ゆっくり立ちあがる
辿りつきやがて禅語をすくう匙
即心是仏(そくしんぜぶつ) 秋がほろほろ
只管打坐(しかんたざ) 暗がりも是とするか
わたくしに点りはじめる曹洞宗
仰ぎみるひとの座禅のかたち 石
彼我を容れことばを消してゆく 秋陽
捉えきれぬ師のまうしろに立っている
手桶返して師の影を置いてくる
風音へ 喩も結びきれぬまま

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