課題「夜な夜な」
特選
嫉妬心夜な夜な七色に光る 山倉洋子
秀作
お百度の足を忘れぬ石畳 杉山太郎
飽きられたおもちゃが夜ごと泣きに来る 加藤ゆみ子
タラレバの夜な夜な集う枕元 吉道航太郎
雑詠
特選
生きてます酒の空瓶溜めながら 近藤魁風
秀作
悔しさと走り続けた火のページ 藤原鬼桜
ブランコの揺れにまかせた軽い嘘 寺尾麦人
もう憎く思っていない風透ける 有海静枝
‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥
選後感想 たむらあきこ
課題特選、「七色に(光る)」が効いている。嫉妬とは自らを焼く火。秀一、巧い。題を詠み込まず「夜な夜な」を見事に詠んでいる。秀二、「泣いている」としないで「泣きに来る」と捻り。どこに「来る」のか。当然作者のところに来るのだろう。「(飽きられた)おもちゃ」へのシンパシー。秀三、柳人たるもの、寝ても覚めても句のことが頭を離れない。雑詠特選、「酒の空瓶溜めながら」にペーソス。句のトーンが自嘲めく。孤独な生き様を感じさせる大人の句。飲酒の善し悪しを言っているのではこの句は読み切れない。秀一、「悔しさ」は作者の生きるバネになったかも知れない。しかし「火のページ」は過去の部分。だんだん穏やかな「ページ」になることだろう。秀二、「ブランコ」は心の暗喩。心の揺れに任せて何気ない「嘘」も吐きながら生きているのが、人間。秀三、コトバとコトバの間のさりげない空気感。
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