
河口湖畔(紅葉回廊)
この旅のきはみか甲斐の湖畔なる冬紅葉より仰ぐ大富士 板坂壽一
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3月4日から6日まで、富士山周辺吟行の予定。先月25日に亡くなられた加藤鰹さんを偲びながらの吟行になりそう。わずかなあいだのお付き合いだったが、爽やかな春風のような印象を残して逝かれた。自然体、かつ周囲に気配りのできる温かいお人柄だったということだろう。
霊峰富士山がこころに深く影響しているのか、関係があるのかないのか、鰹さんはじめよい句を詠まれる柳人が静岡には多いと思っていた。6日の川柳マガジンクラブ静岡句会にもできればおじゃまする。天候次第では吟行を優先するので、確実に出席できるというわけではない。これからも数回は富士山周辺吟行を繰り返す。下記は前回昨年12月の吟行句(嘱目吟)から、再掲。▲印はいま見ると要再考。
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富士山周辺吟行28句
▲残照の嶺のかたちに消えて闇
富士山模型に飴のとろけてゆく裾野
▲押しつけぬ富士か断面図の緩さ
北斎の富士の頂角笑いだす
裾に曳くメルヘン富士のやわらかさ
勾配の先にわたしの沼がある
雲の切れ目に貌本番の雪の富士
▲富士という魚が貌をだしている
いただきの白銀よみがえる記憶
沼の暗さのまま富士山を浴びている
飾り菓子だから誘惑されてみる
あしたとの境に富士が暮れている
▲生も死も樹海のやみに隣りあう
▲工場群の向こうの違和になっている
▲エントツの違和へと山容をはずす
黙(もだ)の位置そのまま霊峰になった
きのうの端には紅富士が立っている
触れて戻るとき山巓(さんてん)が呼びとめる
富士宮の雨に詠む10句
富士宮見えぬ富士からもらう富士
▲浅間大社(せんげんたいしゃ)の浅間大神裏がえす
富士の嵩そこと定めて手を合わす
そこと決め山容ゆっくりと撫でる
物語の昔へ富士のリアリズム
▲霊峰の見えぬ孤愁に掴まれる
浮かんでは消えるあの日の富士になる
〈イヅレノ山カ天ニ近キ〉富士へふと死語浮きあがる
竹取物語の富士が息をつぐ
傾いたわたしの中を歩む冬
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