「川柳塔なら 篝火」12月号より転載。
十二の窓 (12) たむらあきこ
羽のあるいいわけほどはあひる飛ぶ 木綿
原句は〈はねの有いひわけ程ハあひるとぶ〉。作者は呉陵軒可有。『誹風柳多留』を編んだすぐれた編集者。「木綿」は別号。初代柄井川柳の入選句から十七音独立で鑑賞できる句を選び直し、版元・星運堂を営む花屋久治郎の協力を得て『誹風柳多留』を刊行した。二五〇年前のことである。
八月二十日の「誹風柳多留発祥の地」記念碑除幕式には出席できなかったが、関心をもっていたので、当日の様子などを記した川柳マガジン10月号の記念特集をじっくり読ませていただいた。
記念碑のデザインは尾藤一泉氏。川柳マガジン誌の、柳樽の上に止まって空を見上げているアヒルの写真を何度も眺める。いまにも飛び立ちそうな黄金色のアヒルが健気で、抱きしめてやりたいほど可愛い。このアヒルのかたちこそ「川柳」そのもの。川柳界の隅にいる一人として、関係者のご尽力に感謝。こののち東京に行く機会があれば、必ず京成電鉄上野駅正面口横にあるこの碑を拝見したい。川柳を愛する人々の熱意がこのようなかたちになる。東西の柳人がチカラを合わせ、この文芸を次世代に繋いでいかねばならない。
川柳には五七五の定型の縛りしかない。自由闊達なフィールド。人間を詠むということで、詠み方次第で高尚にも低俗にもなる。このフィールドを世代を超えて耕していきたい。柳社の枠を超えて切磋琢磨しながら、よりよい文芸川柳をともに追求していきたい。
Loading...















































