「川柳塔なら 篝火」8月号柳誌に掲載の一文を転載。
十二の窓⑻ たむらあきこ
伊勢神宮にはなぜか何度も行きたくなる。神宮のどんなチカラが私を呼ぶのか。ひとことで言うならやはりかの地が〈日本人の心のふるさと〉ということなのだろう。宇治橋の上から清らかな五十鈴川の流れに目を遣り、玉砂利を踏みしめて素木造りの社殿に詣でるとき、理屈ではなく何とも言えない心の安らぎを感じるのである。
一昨年の式年遷宮の前から今回で6度目。昔から「一生に一度は」と言われた神宮へ何度も足を運べる有難さを思う。今回は箏曲家宮城道雄の碑を見ること、五十鈴川の清流に沿って歩くこと、内宮に近いところで、まだ訪れていない宇治神社に詣でることを予定している。もちろん吟行、あちこちで沢山の句を詠んでくるつもりである。
いつか各地での吟行の句をまとめて出版することも考えている。時間がなくて未推敲のまま、数百句が詠みっ放しになっている。次は昨年6月に詠んだ神宮吟行の句から6句。
玉垣の内へと静寂が仕切る
千木鰹木遥かかなたを呼吸する
天照座皇大御神風はモノクロ
螺旋階段だろう 月光のご正殿
風日祈宮風の向うも風だろう
ご遷宮を詠む
出御奏上ふわりと闇に浮く白布
ちなみに、玉垣は「たまがき」、千木は「ちぎ」、鰹木は「かつおぎ」、天照座皇大御神は「あまてらしますすめおおみかみ」、ご正殿は「(ご)しょうでん」、風日祈宮は「かざひのみのみや」。ご参考まで。
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