「川柳塔なら 篝火 」7月号掲載の拙文「十二の窓 ⑺」を転載。
十二の窓⑺ たむらあきこ
地元和歌山を出て、全国あちこちへ川柳行脚を繰り返すようになって10年。その間お目にかかるかからないは別にして影響を受けた柳人のうち、亡くなられた方々を時々思い出す。時実新子、石部明両氏の句を挙げて、後進として参考にさせていただき、在りし日もまた偲びたいと思う。
時実新子氏(2007年3月10日ご逝去) 。享年78歳。訃報に触れたのは同月、大阪・弁天町での天守閣句会。一瞬会場が息を呑んだのを覚えている。遺された句はいまだに熱く、恒常的にこころを占めている。次は氏の三句。
ののしりの果ての身重ね 昼の闇
投げられた茶碗を拾う私を拾う
女たり乳房に風をはらむとき
氏の川柳は女の情念を率直に激しく表現したものが多い。作風から〈川柳界の与謝野晶子〉とも呼ばれた。一句一句読む者のこころにズシリと響いてくる。氏の第二句集『有夫恋』により一躍全国に名声を轟かせた。
石部明氏(2012年10月27日ご逝去)。享年73歳。氏が発行人の川柳誌「バックストローク」にはかねてより刺激を頂いていた。革新川柳のカリスマとして、既存の伝統川柳を飽き足りなく感じていた柳人たちを惹きつけた。私も岡山市での「バックストローク大会」参加を楽しみにさせていただいていた一人である。氏の急逝を新家完司氏のブログで知ったときの驚愕を忘れない。次は氏の三句。
水掻きのある手がふっと春の空
鍵穴へどこへともなく鳥通う
死にたれば土竜出てきてよく遊ぶ
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