卜定(ぼくじょう)から斎王と決まった皇女はまだ年端もいかない幼女ということも多かった。父帝にも別れ、振り向くことも許されず都を出てゆく。そんな斎王の不安と哀しみを忖度、川柳に詠んでみた。(たむらあきこ)
斎王(さいおう)または斎皇女(いつきのみこ)は、伊勢神宮または賀茂神社に巫女(みこ)として奉仕した未婚の内親王または女王(親王の娘)。先代の斎宮が退下(たいげ)すると、候補者を選び出し、亀卜(きぼく)(亀の甲を火で焙って出来たひびで判断する卜占(ぼくせん))により新たな斎宮を定める(卜定)。新斎宮が決定すると、邸に勅使が訪れて斎宮卜定を告げ、伊勢神宮にも奉幣使(ほうへい・し)が遣わされて、斎宮はただちに潔斎に入る。都から伊勢・斎宮への旅、斎王群行は5泊6日。
<伊勢・斎宮跡吟行>
「斎の宮 22句」 たむらあきこ
卜定の重さ平伏させられる
大極殿(だいごくでん)に賜うみ言葉御櫛(みくし)の儀
振り返ることはならぬと御櫛の儀
白装束の帝へ別れ大極殿
黄楊(つげ)の櫛ことばが形式を纏う (京の方に趣き給ふな)
長月(ながつき)を出てゆくみ輿(こし)朱雀門(すざく・もん)
官人官女騒(ざわ)めく500人絵巻
斎王群行(さいおう・ぐんこう)きのうを剥がしゆく月下
斎王群行隙間を埋める月がある
斎王群行背(せな)をあずける葱華輦(そうかれん)
葱華輦隙間の満月が濡れる
垂水頓宮(たるみ・とんぐう)引き込む森の深みどり
垂水頓宮筥(はこ)に納める別小櫛(わかれのおぐし)(頓宮:仮の宮 道中の宿泊所)
(写真:葱華輦)
頓宮の月夜を眠る葱華輦
鈴鹿頓宮までの山路をひた進む
鈴鹿から壱志(いちし)へ風もゆるみだす
斎王群行どんどん道が白くなる
斎王群行乾かぬ夜を五枚剥ぐ
斎王が禊(みそぎ)の水にぬらす袖
神嘗祭(かんなめさい)神のもとへと過(よぎ)る風
斎宮は函(はこ)か御門が開いている
(難波津(なにわづ)に禊この世に還り着く)
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