本日、愛染帖の選評及びPCへのインプット完了。これから「せんりゅう飛行船」を仕上げて、明日中に発送。今回のは7月号に発表のためアップできず。川柳塔5月号に掲載された中からベスト10をご紹介。
★ なお、先日のブログ「暗合? 剽窃?」で取り上げた件は、この愛染帖とはまったく無関係です。誤解されないように、川柳塔社と愛染帖への投稿者の名誉のために、申し添えます。
【川柳塔社 愛染帖 5月号発表】ベスト10
通販の社長の声が高すぎる 豊橋市 藤田千休
(評)独特の九州訛りで商品を紹介する社長。人柄は悪くなさそうだが、甲高い声がいささか耳触り。テレビを消せば済むことだが…。
飼主と犬のマナーが一致する 高知市 小川てるみ
(評)犬と一緒に立ち小便?ではないだろうが…。犬に躾をしていない人は、子供の頃にしっかりした躾を受けていないのだろう。
子に見せる背にアカンベとでも書くか 奈良市 大久保真澄
(評)子は親の背を見て育つという。もちろん、この「背」は比喩だが、Tシャツの背に「アッカンベ~」と書いて見せるのは愉快。
本物の愛ですずっと片想い 鳥取市 福西茶子
(評)想いを告げることが出来ない、いや、絶対に告げてはならない片想い。だからこそ純粋でありずっと続いているのだ。
寄せ鍋と決めてゆっくり竹を踏む 藤井寺市 俣野登志子
(評)寒い日はおいしくて身体が温まる鍋物が一番。しかも、手間がかからないのがいい。段取りを考えながら、余裕のひととき。
かかりつけの神社に参る子の大事 交野市 田岡 久幸
(評)医者と同じように、神社にも「かかりつけ」があるのだ。氏神さまも常連には格別の計らいをしてくれるのかもしれない。
大好きな言葉は「棚からぼた餅」 和歌山市 柏原 夕胡
(評)何とまあ正直な。誰だって好きだが、「ラッキー!」と小躍りするようなことは滅多に無い。これからあるのだろうか?
日本人らしいおかずが減っている 堺 市 大隅克博
(評)唐揚げとかハンバーグなどで育った子供たちが今の若いお父さんやお母さん。日本が長寿国なのは日本食のおかげなのに…。
夫のこと思って今日も米を研ぐ 三田市 石原歳子
(評)もしかすると、ご主人は臥せておられるのかもしれないが…。お元気なら、強烈なおのろけ、「ごちそうさま!」である。
死を意識したときからが人生だ 堺 市 澤井敏治
(評)たしかに、残された日々をいか過ごすかが最後の難問。「終り良ければすべて良し」と、微笑んでグッバイしたいものである。
豊橋市 藤田千休 さん
河内天笑さんとこで頑張ってると聞いてましたので、懐かしく嬉しく読みました。
折角始められた川柳を止めることになりませんように…と、そればかり願っていました。
最後に頂いた手紙は「…知らぬ事とは言え、一緒になって悪口を言ってた身が恥ずかしい…」というような内容だったです。
千休さんの選択は立派だったと思います。
ありがとうございます。
選句の姿勢、当然ながら、作家の背景などはまったく関知せず、作品オンリーで拝見しています。
ですから、遠慮のない選、何ものにも縛られない自由な選が出来ます。選も「選者の表現」であること、肝に銘じています。