本日は、恥ずかしながら72歳の誕生日。だが、冷たい雨や風にて1歩も外出せず 、到着した「愛染帖」の選評に取り組む。今回の応募者273名。入選143名。没の130名の皆さんにはまことに申し訳なし。今回のは1月号発表のためアップできず、11月号に掲載のものからベスト10をご紹介。
【 川柳塔11月号 愛染帖 】
降車ブザー誰か押すのを待っている 高槻市 安田 忠子
(評)率先して押す人はせっかちで能動的。作者のタイプは少し内向的で慎重派か?降車ブザーの押し方だけで性格が推定できる。
屋根裏でネズミと昼寝していたい 和歌山市 磯部 義雄
(評)何もかも嫌になった、と言えば大袈裟だが、少々疲れているのだろう。誰にも邪魔されず、ごろごろするのも貴重な充電時間。
体の線だんだん猿に近くなる 奈良県 渡辺 富子
(評)高齢になれば誰しも背中が丸くなり、前かがみになってくる。猿に近いという自嘲も愉快だが、品の良い媼だと自信を持とう。
どんぐりの背比べでもいがみ合う 河内長野市 梶原 弘光
(評)つまらないことでいがみ合うと、つまらない人間になってしまう。修行を積んで、周囲より少し大きいドングリになろう。
無理強いをされてパジャマで眠る犬 大阪市 平井美智子
(評)ペットに服を着せるのは飼い主の自己満足。酷寒でも生き延びることができる犬にとって、パジャマなど迷惑至極に違いない。
早起きはするがボーっとしているだけ 岡山市 丹下 凱夫
(評)努力して早起きしているのではない。歳のせいで目が覚めるだけ。エンジンがかかるまでボーっとしているのは誰しも同じ。
朗らかに生きるには必要な金 松山市 神野きっこ
(評)「朗らか貧乏」という言葉もあるが、いささか負け惜しみの感なきにしもあらず。やはり、「余裕のある朗らか」には金が要る。
一日中マナーモードで逃げまわる 青森県 松山 芳生
(評)うるさいケータイの着メロはオフ。そして、自分は口を噤んで面倒なことから逃げ回る。マナーの悪いマナーモードである。
毎日が自由でたまる皮下脂肪 瀬戸内市 東槇ますみ
(評)何ものにも縛られない自由でのびのびとした毎日。誰もが羨ましく思う理想的な境遇。皮下脂肪などイザというときの蓄えだ。
心配が解決すると飲みすぎる 鳥取市 夏目 一粋
(評)心配事があっても飲むのは飲むが、酔い心地はまったく違う。単純で分かりやすくできているのが善人の善人たるところ。
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