昨日は、終日「愛染帖」の選考。今月の応募者は257名(1人3句)。夕刻終了。本日、入選句及び選評をパソコンにて清書予定。
今回の分は12月号発表のため、10月号発表の内、ベスト9句をご紹介。
【10月号発表 愛染帖】
一服をするとそのまま寝てしまう 米子市 青戸 田鶴
(評)しまりのないことである。が、平穏な暮らしそのものでもある。いつの間にか、そのような歳になり、そのような体力になった。
そう言えば昨日もここで転んだな 大阪市 井丸 昌紀
(評)「昨日も」ということは、今日も転んだか転びかけたのだ。路面が悪いのか、それとも、昨日も今日も千鳥足であったのか?
ボス猿のような男を飼い馴らす 紀の川市 北山 絹子
(評)かつては、思い通りにならないと怒り狂う野蛮な男であったが、今では借りてきた猫。飼い馴らすまでのご苦労をお察しする。
歯磨きも言わなきゃしない孫と夫 加西市 金川 宣子
(評)飼い馴らしたつもりの夫であるが、横着な性格は一生直らないものらしい。孫もそのDNAをしっかり受け継いでいる。
何時間寝たか毎朝考える 海南市 三宅 保州
(評)「夜中にトイレへ行ったから…」などと計算する。健康を気遣ってのことであろうが、にんげんは面白いことを考えるものだ。
見積書届いて夢がみなこわれ 大阪市 柴本ばっは
(評)あれもこれもと夢を詰め込み過ぎたのだ。このまま諦めるのは残念至極。予算の範囲内に収まるように夢を縮小しよう。
台風に構えて居れば地震なり 浜松市 岡田 史郎
(評)八月十一日朝、静岡県の皆さんの実感。相次ぐ天変地異を止める策はまだないが、そこから発生する災害は人智で軽減できる。
夏祭り画面変われば災害地 大阪市 西川 冷子
(評)「朗らかな笑顔」に和み、「悲痛な涙」にこわばる。「朗らかな笑顔のニュースばかり」が有り得ないのは、にんげんの宿命か。
風鈴の釣り糸替える原爆忌 西宮市 牧渕富喜子
(評)戦争の恐ろしさを思い起こし、犠牲になられた人々の冥福を祈る。涼やかに鳴る風鈴の音は、ありがたい平穏の象徴。
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