Loading...Loading...

ここ数日、散歩道の雲がとても綺麗。空が秋になっているからか。左、本日の昼前。右、本日の夕刻。

最近はデスクワークに追われてゆっくり読書タイムがとれない。これじゃあイカン、せめて最近の話題作でも…。と、この3日ほどに百田尚樹の「海賊と呼ばれた男」と「永遠の0」を読了。その簡単な感想。

【海賊と呼ばれた男】
本年度の「本屋大賞受賞作」。出光興産の創始者である出光佐三の伝記小説の趣だが、本ではそれぞれ「国岡商店」「国岡鐡造」となっている。これにはちょいと不満。頭の中で「出光興産」「出光佐三」と、置き換えるのが面倒だった。もちろん置き換えなくても、素直に「国岡鐡造」で読めばいいのだが、それでは実感が湧いてこない。あの出光佐三の風貌が浮かんでこない。
小説というスタイルではなく、ノンフィクションとして、すべて実名で良かったのではないか。そして、もっとドキュメンタリータッチでドライな表現で良かったのではないか。
そのような意味で、しばしば作者の感情移入が過ぎて、感傷的な表現が目立っていた。特に、日章丸の船長に任命された「新田辰男」を「沈着冷静な海の男」「頼もしい男」としていながら、その妻との会話など余りにもセンチメンタル。そのような奥深い魅力的な男として描きたかったのかもしれないが、「ええオッサンがそんなこと言わんやろ!」と、白けてしまった。
まあ、そのような気になる点を除けは、概ね楽しめて一気に読了。日本にもこのような傑物がいたのかと改めて認識。出光佐三のことをもっと調べたくなった。

【永遠の0】
百田尚樹のデビュー作。単行本の奥付けには、2006年8月28日 第1版第1刷発行となっている。ちょうど本日で7年目。文庫本は、この8月で257万部突破の新記録。しかも、映画化されて、今年の12月には公開されるという。
だが、読了したあと、「なぜこの本がそれほど?」と、さっぱり分からなかった。
内容は、祖父が特攻隊員だったという姉と弟が、その祖父のことを調べに行くという、半ば推理小説のようなタッチ。
その祖父「宮部久蔵」の元同僚や先輩たちが狂言回しとなって、太平洋戦争における大日本帝国海軍のありよう、「特攻」という狂気の作戦が生まれた背景が語られてゆく。真珠湾攻撃を行った昭和16年から終戦の20年までの海軍史が、この狂言回しの中で延々と展開される。
このあたりの戦史については、海軍のみならず陸軍のことも少しは読んでいるので、(私には)退屈なところであった。だが、私よりも一回り若い読者にとっては新鮮な内容だったかもしれない。あるいは、戦争を知らない若い世代に伝えることを目的とした記述だったのかもしれない。
この本でも気になった記述は、「零式戦闘機(ゼロ戦)」が、当時では「世界一優秀で、最強の戦闘機であった」と繰り返し述べられていること。1人が語って充分に分かっているにもかかわらず、何度も同じ記述が出てきて白けた。
このように、気になるところは少なからずあったが、引き込まれるところも多く、一気に読了した。あれほど「妻と子のために生きて帰りたい!」と願っていた宮部が、最後の最後、終戦間際の沖縄からの特攻でなぜ死んだのか? 助かる可能性を見つけたにもかかわらず、なぜ「死」を選んだのか? それは、これから読む人のために伏せておく。
共感したところも多々あったが、その内の1つは、姉と弟の2人が鹿屋航空基地を訪ねたときの記述。「ゼロ戦」が意外に小さかったこと。若い特攻隊員の手記が辛くて読めなかったこと。先年わたしが訪れたときも同じ気持ちだったので胸を衝かれた。涙が出そうになったのは、この部分のみであった。

ポストする LINEで送る ブックマーク
❤️ ひざポン
ありがとう!

気軽にポチっと
どうぞ(無記名)

【海賊と呼ばれた男】 & 【永遠の0】”にコメントをどうぞ

  1. 楽生 on 2013年8月28日 at 9:32 AM :

    読書いいですね!

    もう13年前の話ですが、著名な川柳作家の講演会を京都河原町三条の朝日カルチャーセンターで聞きました。
    1時間半の講演会の最後に言った言葉が未だに忘れられません。
    「本は読まなくていい。私の本だけ読みなさい!」

    それ以来、その川柳作家の本以外を、たくさん読んでいます。

    • 完司 on 2013年8月28日 at 12:54 PM :

      こんにちは~。
      読書は、いわば充電ですね。消耗しないようにときどき充電しなければならないのですが…。最近は川柳の仕事に追われて思い通りになりません。
      若い頃はミステリーが大好きでした。特にレイモンド・チャンドラーの「フィリップ・マーロウ」シリーズ。「長いお別れ」とか「さらば愛しき人よ」。忘れた頃に読み直していますが、そろそろ読み直す時期です。

  2. 高杉千歩 on 2013年8月28日 at 10:42 AM :

    ご無沙汰いたしました。
    欠かさずブログは、完司さんから訪問しています。
    猛暑の上に、甚大な被害を残して今朝はひと時の爽やかな秋空です。

    読書の秋! お忙しい中でも「即実行」されるのが素晴らしいです。
    私は、段取りばかり考えて実行に移せず、いつも急がしく追われています。歳とは思いたくないのですが、残念ながら行動力が落ちました

    今年も敬老祝寿会演しもの「銀座カンカン娘」「ハンドベル」バックコーラスの稽古が始まっています。
    何処も高齢で、出演者が減り今年は私が最高齢になりました。

    月曜日「食事会」の後の集いで「野菜の蔕で描く絵手紙」を皆さんに作って貰い大変好評でした。 毎回民生委員の方達が企画して下さっていますのでお役にたてばと思いつきました。

    お孫さん達のご成長、台風被害、大会巡り、本社日帰りとその都度ご様子を拝察しては感謝しつつ楽しませて頂いています。

    メールを変えられたようですが、教えておいて下さいますようお願いします。

    厳しい夏でしたが、とても忙しい夏でした。成果はそれほどでもありませんが…..すべてがスローになったということです。

    季節の変わり目気温も上下しますので、お大事にお過ごし下さいませ

    もうすぐ、お目にかかれます。 1年が早いです!     千歩

    • 完司 on 2013年8月28日 at 1:07 PM :

      こんにちは~。
      お元気そうで何よりです。ようやく朝晩は涼しくなってきましたが、まだ昼間は蒸し暑いです。その中で、バックコーラスの練習、絵手紙の指導等々のご活躍、見習わなければいけません。
      アドレス変更の件。アドレス帳に入っている方々には順次お送りしているのですが、先ほど確認しましたら、千歩さんのアドレスは、入っていませんね。少々の用事でいたら、ここのコメントで充分ですので、ここにお願いします。そして、今度お会いしたときにアドレスをお渡し致します。お目にかかれますのを楽しみに致しております。

高杉千歩 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Post Navigation

Copyright All rights reserved. SHINYOKAN PUBLISHING illustration by Nakaoka.K