本日朝、15日締め切りの【愛染帖】が到着。即、選考にかかって夕刻には完了。あとはパソコンにて清記&選評。今回の応募は274名。これは5月号発表のため3月号掲載のものからベスト10をご紹介。写真は本日の昼前散歩にて。もうすぐ雪解けが始まる大山。
【 川柳塔3月号掲載 愛染帖 】
まあいいかこの雪の下春がいる 弘前市 稲見 則彦
(評)うんざりするほどの長い冬。だが、雪の下では「もうすぐ春だ!」と草花たちが身構えている。春の喜びも風雪のおかげ。
上げ底の土産の底は雪景色 伊丹市 延寿庵野靏
(評)雪の下には春がいるが、上げ底の下にあるのは虚しく寒々しい隙間だけ。雪はいずれ溶けるように卑しい商魂は長続きしない。
鍋なべなべ呪文で帰る寒い夜 岡山市 永見 心咲
(評)「う~さむいさむい~、ナベなべナベ~」と呟きながら背中を丸めて急ぎ足。こころも体も温めてくれる、まさに無形文化遺産。
神様はいますか冬のパチンコ屋 沖縄県 森山 文切
(評)神出鬼没の元祖である神様は何処にでもお出ましになる。が、パチンコ屋でウロウロされているのはみんな貧乏神だろう。
八十歳の遺産紙屑だけの部屋 土佐清水市 辻内 次根
(評)さて、この部屋で遺産らしきものは?と改めて眺めてみれば…。川柳誌、句会報、作句帳等々。他人から見れば総て紙屑。
おめでとうなんでもなくて普通の日 鳥取県 斉尾くにこ
(評)地震、洪水、台風、事故、怪我、病気等々、穏やかな暮らしを壊すものが何も無い「普通の日」が一番めでたくて有り難い。
牛肉は干し草だけでなぜ旨い 大阪市 江島谷勝弘
(評)そういえば、水と肥料とお日さまだけで旨い米や林檎や梨等々。有り難いことだが、それを頂戴している私たちは、さて何を?
カーテンの透かし模様を映す壁 沖縄県 宮 すみれ
(評)何が何して何とやら等の小賢しい理屈ではなく、見たものをそのまま述べた。川柳でしか表現できない究極のリアリティー。
神様はクジで不幸を配ってる 松江市 栂瀬みちを
(評)何も悪いことをしていない善人が事故に遭うことがある。まことに理不尽ではあるが、クジに当たってしまったのだろう。
辿り着きここはどうやらデストピア 大阪市 森 廣子
(評)老後をゆったり過ごす予定のケアハウス。ユートピアであってほしいものだが、デストピア(暗黒郷)とは情けない。
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