父の日の、苦虫を噛み潰している父たちへ、しょぼくれている父たちへ、
私のコレクションからプレゼントします。
すり切れたものばかりなり父の部屋 牧渕富喜子
父のこと案じるだけで看に行かず 澁谷由紀子
父のクセまねて弟うれしそう 五反田柾子
難聴の父が一番楽しそう 長島まゆみ
父さんがちょっぴり恐い良い家庭 石井沙江
夏痩せの父に駅まで送られる 新貝映柊
またおいで目を合わさずに父が言う 三村 舞
父の手を離し改札口を出る 板倉徳子
扁桃腺のあたりで父が返事する 髙瀬霜石
戦争が恐かったとは言わぬ父 柴田由紀子
鉄の破片入ったままの父の足 吾郷初枝
初めての店で父の名たずねられ 加島由一
人前で頼むときいてくれる父 緒方美津子
おふくろに面倒ばかりかけた父 森 茂実
咳をしている親父の部屋を覗く 金築雨学
死なぬようずーと父を見張っている 安黒登貴枝
笑わない父の布団を干している 綾井友子
十三年寝たきりの父板になる 金子菊子
碁会所に父が居そうでふと覗く 谷口 義
父と並んで散髪をしてもらう 門脇かずお
どんよりと父のいそうな空である 門脇 楓
家の外案外父はもてている 内田厚子
ターザンを父と信じた頃がある 長谷川博子
父帰る弁当箱を空にして 加藤安次
ゴミの日は係長ですお父さん 岡 富子
父の背を超えたときから父が好き 加藤乃里子
ゴロ寝する父もしかして哲学者 本池 菫
ファーザーズデーも勘定役はパパ 谷口さとみ
お父さんだけ置いてゆくお買物 秋貞敏子
甘党もでっかい鼻も父譲り 但見石花菜
大きな手大きい足で父笑う 持田英子
荒神谷父の芝刈る音がする 佐藤好野
補聴器の父口数が減ってきた 奥田勝子
留守電に四角四面の父の声 渡辺富子
砂利道を駆けた日もある父の靴 小川てるみ
父を越すことはなかった酒の量 中居善信
父を焼く煙が雨に負けていた 平尾正人
親父とも一緒に飲んでみたかった 三澤放舟
夢で会う父は無口で鍬を持つ 伊藤しげる
夏場所を観る仏壇の中の父 竹尾久扇
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