17日朝から、レターパックにて到着済みの「愛染帖」とFAXでの追加分を合わせて選にかかる。今回の応募者270名ジャスト。その810句と真摯に対峙して午前中に選を完了。午後からパソコンへインプット。これも夕刻には完了。今回の分は「川柳塔」11月号に掲載のためアップできず。9月号に掲載分からベスト10をご紹介。
【川柳塔 9月号掲載 愛染帖】 ベスト10句
おばあさんばかりで柩担げない 大阪市 谷口 義
(評)親戚中を見回しても残っているのはお婆さんばかり。葬儀屋なら台車のようなものに乗せてくれて手間要らずだが…。
GパンTシャツまだスキップも踏める古稀 藤井寺市 鈴木いさお
(評)恰好は若者と同じでスキップだって出来る。が、何をしてもいささか無理があり、似合っていないのは自分でも分かっている。
ややこしい村だ同姓過半数 鳥取県 石谷美恵子
(評)地方には未だ残っている村社会。同姓の家ほとんどが縁戚。他所者には分からないが、本家や分家などなかなかややこしい。
スクリーンの余韻に浸る独り酒 池田市 上山 堅坊
(評)映画館の後の居酒屋か、テレビの後の食卓か。いずれにしても、酒はうまいが感動を語り合う相手がいないのが少し寂しい。
銭湯の富士のお山もおめでたい 和歌山市 古久保和子
(評)めでたく世界遺産になった富士山。見慣れた銭湯のタイル絵も何やら誇らしげである。お風呂屋さんも嬉しいことだろう。
日めくりと一升瓶は早く減る 三田市 福田 好文
(評)酒は確実に毎晩減って行く。日めくりはつい忘れて三日ほどまとめてめくるが、どちらもアッという間になくなってしまう。
ぼけたらアカン輪ゴムときどき飛ばしあう 大阪市 柴本ばっは
(評)この「輪ゴム」、相手を刺激する言葉とも読めるが、本物の輪ゴムのほうが面白い。ぼんやりしているほっぺたにパチン!。
厄介をこっそり招く招き猫 米子市 生田 和之
(評)招き猫が招いてくれるのは、客や金運や子宝。しかし、厄介を招くこともあるというのだ。確かに、潰れた店にも招き猫は居る。
寝てあの世起きてこの世を徘徊す 豊中市 松尾美智代
(評)寝ているときは天国らしき所をうろうろ。起きては近所をうろうろ。この「夢と現」の区別がつかなくなってくると危ない。
消息は死んだ死んだのことばかり 安来市 原 煩悩児
(評)まことに残念だが、そのような歳になったということだろう。順番が巡って来るまで、現世をゆっくり楽しもうではないか。
17日、昼前の散歩にて。ひとひらの雲もない快晴。と、思って見回したら、この木立の上に薄い雲。絶好のアングルで写してやろうとカメラを構えているうちに、スーと消えてしまった。雲が消える瞬間を見たのは初めて。
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入選した句はどれもユーモアーがあって面白いが、ボクの好みは下記の三句。
おばあさんばかりで柩担げない 大阪市 谷口 義
女は長生きするが力が無い。この時ばかりは爺さんの手を借りたいかも。亡き夫、爺さんを思い出すひと時かもしれない。
ややこしい村だ同姓過半数 鳥取県 石谷美恵子
こんな地域も多いらしい。名前で呼びあっている姿を彷彿する。でも意外に同族結婚がないのが不思議!
日めくりと一升瓶は早く減る 三田市 福田 好文
一升瓶を一日で空ける人は少ないと思うが、確実に量は毎日減る。日めくりと一升瓶との組み合わせが面白い。
こんばんは~。
はい、もちろんシリアスな句も採りますが、ユーモア句がいいですね。こころの余裕、ふところの深さを感じます。
ワザと面白く作ったのは白けますが、「真実を突いているだけだが、どことなくおかしい」というのは、イコール「にんげんの哀しみ」に繋がります。