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鈴鹿川柳会の会報「川柳すずか」は読み応えがある。中でも青砥たかこさんが担当されている「ポストイン」というコーナーは毎号楽しみにしている。この欄は、各地の会報をたかこさんが読んで、佳作と判断されたのを2句ずつピックアップ。5月号では40冊もの柳誌に目を通されている。これだけでも凄い時間と手間がかかっているのが分かる。

昨日、倉敷へ向かう車中でこの欄を読んでいて「ギョッ!」となった。川柳瓦版4月号からピックアップされている「月給が親の年金より安い  北野哲男」。この句、私が選を担当している某川柳欄への応募作品にあった。作者は北野哲男さんではなくXさん。面白い句なので、秀句として抜き、寸評を書き上げたばかり。原稿は本日見直して投函する予定であった。
間違いがないか確認しなければと思って、今朝、瓦版4月号を引っ張り出すと、まったく同じである。「これは連絡しなければ…」と、Xさんへ手紙を書く。このような場合は、偶然の一致(暗合)として丁重に扱うべし。と、私の本「川柳の理論と実践」にも書いている。で、その通り「先行の句がありましたので、大兄の記録からも取り消しをお願い申し上げます」と書いて、応募ハガキと北野哲男さんの句をコピーしたものを同封した。
それを投函しようとして「ひょっとして他にも?」と気になり、Xさんの他の応募はがきを見直して、瓦版4月号と照らし合わせた。結果、同じのが2句もあった。「うちの町でも開きたい政治塾  小林貞夫」と「町内のガレキを燃やしてた風呂屋  くんじろう」。
先ほどの手紙を破棄し、「一句だけでしたら偶然の一致でしょうが、三句も同じでしたら剽窃と思われても仕方ありません。今後は充分にご注意お願い申し上げます」と記し、小林貞夫さんの句とくんじろうさんの句をコピーして、一緒に投函した。

上記のことは決して自慢できることではない。偶然、たかこさんが北野哲男さんの句をピックアップして下さっていたから発見できたのであり、本来なら、私が瓦版をしっかり読んでいれば自分で発見できたはずである。また、瓦版4月号には私の句も載っているので、「選者として甘く見られた」ということもある。
このようなことは、投句者に注意を促すだけで一件落着することであり、ブログで公表するのは適切ではないかもしれない。が、ここを見て下さっている諸兄が、もしも、万が一にでも、このような誘惑に駆られることがないように、「天網恢恢疎にして漏らさず」という諺を思い出してほしいと思い、敢えてアップした。

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  暗合か? 剽窃か?”にコメントをどうぞ

  1. 進水 on 2012年5月14日 at 2:57 PM :

    1句ならたまたまでも3句となると話は違います。適切な処置だと思います。気付くのは難しいですが気付いた場合は私もそうしたいと思います。ありがとうございました。

    • 完司 on 2012年5月14日 at 4:43 PM :

      はい、今回のことは偶然に発見できましたが、これまでにも、知らずに公表しているのがあるのではないか、と考えると責任の重さを感じます。しかし、全国の柳誌すべてに目を通すのは不可能。皆さんの良識を信じるだけです。

  2. 牧野芳光 on 2012年5月15日 at 10:01 AM :

    進水さんと全く同感です。知らぬ間に頭の隅にあった句を、知らずに投稿することもあると思いますが、3句とも同じとなると川柳人としての資質が問われると思います。選者としても、既発表句に目を通すことは不可能だと思います。

    • 完司 on 2012年5月15日 at 12:54 PM :

      そうですね、1句なら暗合ということもありますが、3句ともなると明らかに剽窃です。極めて稀なケースでしょうが、残念なことです。
      「できるだけ多くの柳誌に目を通して…」とは心掛けていますが、全国で出される内の1パーセントも読めないでしょう。

  3. 太秦 三猿 on 2012年5月15日 at 11:10 AM :

    何だか怖い話ですね。このケースは故意の可能性が濃厚すが、過失の問題として二重投句をしていないかしばしば不安です。年(1935年生)とともに記憶力がまったくあやふやになり、二重投句をしてしまって慌てて取り消すことがたまにあります。句の管理をどうすべきかに頭を悩ましています。あちこちに投句するのを諦めて一誌かせいぜい二誌ぐらいに絞るべきかなーなどと考えています。

    • 完司 on 2012年5月15日 at 1:25 PM :

      三猿さんのように、「過失」でさえも、これほど気を配っておられる、そのような人ばかりならいいのですが…。
      私も二重投句にならないように注意しています。作句ノートの管理。発表した作品の整理は重要な仕事ですね。それと、おっしゃるように、発表の場を絞ることも。義理とか付き合いで出しているところは思い切ってカットしています。

  4. たかこ on 2012年5月15日 at 3:22 PM :

    完司さん
    昨夜は送別会で遅くなり、今日は早朝から、ついさっきまで仕事がらみの用で不在でした。
    「ポストイン」褒めていただいてありがとうございます。お一人でもそういっていただくとやってる甲斐があるというもの…

    それにしても凄い人がおられましたね。「ポストイン」の作業中、よく「既読感」のある句に出くわします。
    このあいだは、大阪の人の句と、岐阜の人の句がまるきり同じでした。(大阪の人の句が二ヶ月ほど早かった)ちょっと相談したら、接点がまるでないし、だれでも思いつく句だからしょうないね、と言われそっとしときました。よかったかなあ…
    完司さんのように、秀句に選び選評を書かなくてはならないとなると、知った以上は捨ておけませんね。

    うっかり二重投稿や暗号句を出してしまったら、やはり素直に謝りたいですね。もちろん、それ以前に気をつけなくてはいけないと思いますが…

    • 完司 on 2012年5月15日 at 5:42 PM :

      はい、「ポストイン」いつも楽しみにしています。あそこから、「おっ、いいな!」と感動したもの、しばしばコレクションに加えています。もちろん、作者名と出典の柳誌名も一緒に記録しています。
      でも、「これエエかな?」とゆーのもモチロンあります。それは共選の結果が、てんでバラバラなのと同じで、仕方のないことですが…。

      うっかりミスはともかく、剽窃だと思われるものは、必ず先行句のコピーを添えて報せなければなりません。でないと、「バレていない」と思って、どんどんエスカレートして行きます。
      暗合句にならないためにも、誰も作れない「個性的な句」がベストなのですが、それがなかなか難しい。

  5. 孝志 on 2012年5月15日 at 7:50 PM :

     もう二十年ほど前の話ですが、京都番傘創立記念大会で題は《顔》選者は岩井三窓さん。「あんたには言われとうない顔のこと」と書いて出句。やれやれとテーブルに座ると、目の前に座られたユーモア句の大御所I・O氏。慣れた手つきで句箋に「あんたには言われとうない顔のこと」と達筆でしたためられました。 ギョエ~ 大御所に「同じ句をさっき出したんですけど・・・」とも言えず、黙って相打ちを覚悟して諦めましたが、大御所の方はは最後の句が披講されるまで、ジッと控えを睨んでおられました。
     相討ちでよかったと思います。もし時期を外れて双方の句が活字になっていたら、どちらかが不愉快な気分になったと思います。
     十七音時の宿命は時々、同想句や同一句を生んでしまいます。ここのところ特に記憶力が落ちてきました、二重投稿にならないように投句控えの確認と、出来すぎかな?と思った句はパソコンに入力して検索チェックするように注意しています。
    「かぼちゃかサムライか叩いたら判る」一字空けて川柳と入力、検索で新家完司作とわかります。 有名な句はこれでチェックできますが、一日二万句発表される句のすべてがチェックできないし・・・三窓さんんも「この句箋の束に投句が混じっていると考えたら選などできぬ!」とおっしゃって居られました。
     悪意無き暗号句は高齢化が進む川柳界である程度は致し方ないのかもしれませんね。良識に頼るしか・・・
     ただ、何度勧告や注意を受けても他人の句を使う人物も存在することは確かです。 俳句の場合はこういう場合の対処が厳しいとは聞いていますが・・・ 難しい問題ですね。 

    • 完司 on 2012年5月15日 at 9:26 PM :

      ギョエ~! 自分が出した句と同じのを、大御所が目の前で書いたとは…。恐ろしいほどの偶然ですねー。
      たしかに、僅か17音の文芸ですから、偶然の一致はあります。
      地域句会で選を仰せつかったときなど、たまに、極めて似た句があります。大会などでしたら、コメントも言わずに黙って没にしますが、地域句会は勉強の場でもありますので、必ず二つの句を読みあげて「相討ちですので、双方とも没にさせていただきます」と説明します。でないと「なんでこんなエエ句が没やねん!」と不満に思う人がいるかもしれませんので…。
      「あんたには言われとうない顔のこと」の大御所も、そのように説明があったら納得出来たでしょうね。
      何度注意をしても他人の句を失敬する人、やっぱりいるのでしょうか。困ったものですね~。まあほとんどは良識ある人たちですが…。

  6. 鈴木順子 on 2012年5月17日 at 10:34 AM :

     わたしも、川柳豊橋番傘5月号の編集をしている時、近詠のなかに「老人は死んでください国のため」という、かの有名な句を発見。電話をかけて差し替えてもらいました。
     また今の世が、かの有名な句で騒いだ世と似通って来たのか?、古い作句帳をめくってて、佳句とメモしていたのを自作と思い違われたのか…。
     私は、川柳界が高齢化していることは、ちっとも憂うことはないと思っているんです(人間の喜怒哀楽が詠める川柳だけの持ち味を活かすには人生経験は大切)が、過去の自作と思われる句を出される人に会うと、???と悩みます。
     「老人は死んでください国のため」騒動の時には、もちょっと深読みしなさいよ、騒ぐ方向が違ってない、なんて思っていました。

  7. 完司 on 2012年5月17日 at 6:34 PM :

    はい、自分の句と勘違い、ということ、考えられない気もしますが、有り得ます。
    私が大失敗したのは、まったく逆で、自分の句を他人の作品だと思い違いしたこと。これなど、考えられないけど事実です。
    「川柳の理論と実践」を連載中のこと。7・5・5の句で「礼儀正しき海軍の生き残り  土橋 螢」をサンプルとして出しました。
    しかし、これは土橋螢さんの句ではなく私の句でした。私がこの作品を作ったときのモデルが予科練帰りの土橋螢さんだったのです。
    もちろん、本にするときには「会釈をすると信号が青になる  土橋 螢」に差し替えました。
    このような自分の失敗がありますので、思い違いとかウッカリの二重投句には、私は寛容です。モチロン、意識した剽窃は駄目ですが…。

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