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本日朝から、昨日到着していた「愛染帖」の選に取り組む。今月の応募者291名は新記録。300名に近づいているようで、その盛況は嬉しいが、応募者の皆さんにとっては、入選率が悪くなるので申し訳なし。いくら多くなっても良い句は見逃さないという覚悟で向かっていますので、没続きでもキレずに続けてください。以下は5月号に掲載中のものから、ベスト10をご紹介。

 

   【 川柳塔5月号掲載 愛染帖 】 ベスト10

   せかせかと歩いているが暇である   松原市  森松まつお   

(評)何かに追われているように、少し前かがみでせかせか。超多忙のように見えるが、暇つぶしの散歩。歩き癖は生涯直らない。

    シャンプーがふわりと変える世界観   大阪市  栃尾 奏子 

(評)大事件に遭遇したわけではない。深遠な哲学書に啓蒙されたわけでもない。爽やかなシャンプーからヒントを得たのだろう。

   長靴で歩くと辛いウォーキング   鳥取県  竹信 照彦

(評)膝から下が汚れないように、作業用に作られた長靴。雨天の散歩に履いてはみたがブカブカで重たくて、たちまち戦意喪失。

   検診日体重計に乗せられる   岡山市  藤成 操江

(評)女性にとって、スリーサイズとか体重などは特に秘匿しておきたい個人情報。それを、いともアッサリ「はい、どうぞ!」。

   賞状も勲章もなく太るだけ   松山市  神野きっこ

(評)賞状や勲章は、誉めて自尊心をくすぐって従順にさせる手段ではないのか。そんなものより、健康で食欲旺盛がイチバン! ※1

   打たせ湯で終える略式滝修行   松江市  石橋 芳山

(評)真冬の滝に打たれる修練「滝業」と温泉の「打たせ湯」。たしかに、同じような形ではあるが…、略式すぎるではないか。

   ひとはひと忘れぬように声に出す   三田市  上田ひとみ

(評)他人と比較して一喜一憂するのはエネルギーの無駄。何の益にもならない。自分を取り戻し元気にさせる呪文「ひとはひと」。

  ナビ持たず頭の中に地図を描く   シドニー  坂上のり子

(評)ナビゲーターなどに頼ってしまうと、想像力や推理力、そして判断力まで失せてくる。頭の中に地図を描ける人はボケない。

  耳遠くなって笑顔が増えました   三田市  九村 義徳

(評)笑顔が減ったのではなく増えたのだ。それは、「不快感を与えないように、笑顔でカバーしよう」との想いからではないか。※2

  赤青黄刻みチンして老いの膳   八尾市  髙杉 千歩

(評)有りあわせを刻んでチンもラクチンだが、タンパク質・ビタミン・糖質など、バランスよく摂って百歳超えを目指そう!

 

※1 今、読み返してみて作者としては、「いくら太ったって賞状も勲章もくれないのに…」というような想いだったのではないか? と気がついた。

※2 作者としての「想い」は、そういうことではなく、「愚痴や悪口など、不愉快な話題が聞こえ難くなったので笑顔が増えた」ということではないかと、と気が付いた。まあ、どちらにも解釈できるが…。

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  1. 無冠帝 on 2015年5月19日 at 5:05 PM :

    ご無沙汰してます。
     完司さんが選んだ句は誰もが納得出来る秀句であることは間違いないが、ただ一句選評が私の捉え方と違うところがありました。
       耳遠くなって笑顔が増えました   三田市  九村 義徳
    私の感じでは、こちらの声が聞こえないので単純に笑顔で返すだけと思います。この頃特にそう実感してます。だんだんこういう高齢者が増えてきましたね。完司さんの捉え方も勿論一理があります。大先生に余計なコメントをしてゴメンなさい。
     昨日、一軒の農家が作ってる62hrの菜の花畑を観てきましたが圧倒されました。転作で菜種油を採るために植えられたものです。畑作は同じ種類の作物は精々2年ぐらいしか作れないので来年は他の農家が違う地区で作るかも知れません。中国ほかの国の観光客も混ざりごった返ししてました。

  2. 新家 完司 on 2015年5月19日 at 6:21 PM :

    こんばんは~。
    ご丁重なコメント、ありがとうございます。
    菜の花の黄色にはパワーがありますね。灰色の冬に耐えた後だけに余計にそう感じるのかもしれません。私の好きな花で元気が出ます。「みかんの花咲く丘」は好きな歌ですが、♪菜の花ばたけに 入り日薄れ~、の「おぼろ月夜」も好きな歌です。
    北海道には中国や韓国など、外国からの観光客がとても増えているそうですね。こちら鳥取も増えているのかも知れませんが、私の住まいする琴浦町は片田舎ですので、外国人観光客どころか日本人観光客もあまり見ません。

  3. 上野楽生 on 2015年5月20日 at 6:54 PM :

    >賞状も勲章もなく太るだけ   松山市 神野きっこ

    私の解釈は、専業主婦として夫を支え、子どもを育てても、世間からは当たり前のように思われ、賞状もましてや勲章ももらうことなく、家族の食べ残しを片付けと称して食べた挙句がこの体型となった、作者の嘆きと思いました。

    頑張れ専業主婦!あなたの貢献を家族も世間もちゃんと見ているよ!

  4. 九村義徳 on 2015年7月20日 at 9:10 AM :

    はじめまして、三田市の九村義徳です。五月号の愛染帳では 耳遠くなって笑顔が増えました お選びいただきありがとうございました。川柳を初めて一年いろいろと勉強させていただいてます。最近、新家先生のブログを知り読ませていただいてます。私、現在も現役で喫茶店を営んでおります。カウンターでコーヒーをたてながら話をするのが楽しみです、ところが最近客席の方から話された時、聞きづらい場合が多々あり、お客様に不快感を与えないように笑顔で返す場合が多くなりその気持ちを読んだ次第です。今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

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