ベストセラーなどともてはやされている間は、その本を手に取ることをためらう。宣伝に乗せられてたまるか、とか、流行を追うのは軽薄だ、いう天の邪鬼な気持ちからであろう。
そのくせ、好奇心はあるので、タイミングを見計らって読むようにはしている。
12日に紀伊國屋で購入した本は、20年以上も前の、村上春樹の大ベストセラー「ノルウェイの森」の文庫本上下2巻。
文庫売場の平積みでいっぱい並んでいて、その帯にでっかく「映画化決定」と記されていることに惹かれ、「読んでみるか」と手に取った。
12日と13日の大会の昼休みに読んでいて、「この場面はどこかで見たような…」という箇所が何度か出てくる。どこで見たかは定かではないが、とても懐かしいような雰囲気。
たとえば、ずいぶん昔に馴染んだ街を久しぶりに歩いているような気分。「おっ、この店、まだある」とか、「ああ、こんな川があったなぁ」という気分。だが、次の横町を曲がった向こう側には何があるか、まったく分からない。これはちょっと面白い体験である。
そのような気分で読み進んでいるうちに、上巻の半ば過ぎ、主人公のワタナベが小林書店の物干し場で、緑とビールを飲みながら火事見物をする場面で「あっ、この本、読んだことがある」と、初めて気がついた。
あまりにも特異なシチュエーションなので、ここだけ明確に覚えていたのだ。
それからは、「ふんふん、そうか、そうだったなぁ」と、記憶を呼び覚まされながら進んだが、読んでいるその場面は「そうだった」と思えるのだが、その次の場面が全く浮かんでこない。で、次を知りたいためにどんどん読み進めて、昨日読了。
映画化にあたって、主題となっている、こころの傷、喪失感、などの心理描写をどのように表現するのか。しばしば出てくる開けっ広げな性描写や会話を、どう扱うのか興味深い。
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