川柳塔に連載している【せんりゅう飛行船】の1月号は〔ちょっと怖い話〕です。先日の新年句会でお会いした数人から好評を得ましたので、ここに転載いたします。
【ちょっと怖い話】(川柳塔1月号より転載)
こころ温まる「ちょっといい話」だったら良いのですが、今回は「ちょっと怖い話」です。怖いのは聞くのも読むのも絶対にイヤ!という人は、これから先は読まないで下さい。悪い夢を見て魘されたとか、夜中にトイレに行けなくなったということになっても責任は負いません。次の話は私の体験ではなくK女史からお聞きしたことです。
日課の散歩でいつもの道を通っていつもの公園に行きました。早朝のことですので人影はありません。不気味なほど静かでした。歩きながら何気なく木立の方を見ると、人の足が見えます。「あんなところに誰か…」と思って立ち止まったとき、その足が宙に浮いているのに気がつきました。地面に着いていないのです。「首吊り!」と気がついたとたん、身体がガタガタ震えてきました。頭が真っ白になって「どうしょう!どうしよう!見なかったことにして逃げようか…」と周囲を見回しますと、向こうから男の人が歩いて来るのが見えました。「助かった!」と駆け寄って早口で事情を説明しました。その初老の男性は落ち着いて「ケータイを持っていたら警察へ連絡しなさい」と言ってくれました。男性がしっかりしていたのでようやく110番出来ました。それから警察官がやって来るまでとても長く感じましたが、その男性は傍で待っていてくれました。そのあと警察官からこまごまと事情聴取を受けたあと、ようやく帰宅することが出来ました。
Kさんはその後、宙吊りの足のことが頭から離れず、また余りにも異常な体験のために友達にも話すことが出来なかったそうです。私が聞いたのは数カ月経ってからでした。
この話を聞いた翌日のことです。書架が溢れていましたので「不要な本は捨てよう」と片付けにかかりました。1年も2年も手にしていない本など生涯読むこともないでしょう。「これは捨てる」「これは残す」と仕分けていたとき、「川柳の仲間・旬」が10冊余り出てきました。B6判50頁ほどの冊子で、それぞれ個人特集が組まれています。中に私の特集もありました。「これは捨てられんな~」と思いながら記事を見ましたら、冒頭に大きな活字で作品が10句紹介されていました。その中の1句に「ギョッ!」としました。 公園で首を吊ってはいけません びっくりすると同時に笑ってしまいました。何という偶然! この句を作ったことなどすっかり忘れていましたし、作句動機などもまったく覚えがありません。冊子の発行年月日を確認しましたら、2004年6月となっていました。もう10年以上も前のことですから当然でしょう。 同じ冊子が4冊ありましたので1冊をKさんにお送りしたところ、折り返し返事が来ました。それには、「あまりの偶然にビックリして、笑ってしまいました」と書かれていました。それを見て少し安心しました。皆さん、どれほど辛いことがあっても自死はいけません。「いや、誰が何と言おうと決行する!」という事態に陥ったとしても、公園で首を吊ってはいけません。
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