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前々回の「テープ起こし」の顛末について、一席伺います。下駄が一足も入っていなくても「下駄箱」と呼ばれ、上履き用に運動靴を入れた「草履袋」を持って、登校した小学生時代。運動会の時だけに履いた「裸足足袋」も懐かしいです。ランドセルの中からは鉛筆の入った「筆箱」がいつもガタガタと音を立てておりました。

そんな世代が「テープ起こし」と言って、現代用語を知らないことをお笑い召さるな。届いたのは、CDと思いきやDVD(これで良いのかな)。コンピューターに放り込んだが、起動しません。やっと動いたら一時停止はできるが、指示通り操作したのに早送り巻き戻しができません。姪っ子にヘルプ電話をしても解決せず、テープに録音することに相成って、正真正銘の「テープ起こし」に相成りました。

講演は「話し言葉」でこそ面白いもの、起こして文章にするのは如何なものかと、改めて思いました。話し言葉の良さは、「繰り返し」「声の高低や調子の変化」「絶妙の間合い」。まさに「歌は語るように、語りは歌うように」の名調子でありますから、音源のままに配布したら如何なもんでしょうかね。

聞き取れない部分に苦労はあったものの、一番の苦労は表記の仕方でありました。「がん末期」か「ガン末期」かはたまた「癌末期」なのか、今日・出来る・御座います・致します・頂く・本当などは漢字か仮名かなどなど、作家によって様々な基準がおありでしょうが、近藤氏は新聞記者上がりの方、新聞の表記法の基準が分からずに、苦労いたしました。人名・地名も一苦労でした。町名変更で現在は存在しない町名の漢字表記なんてどうしたら良いもんでしょう。

ついでに、漢字の使用について日頃思っていることをひとくさり。「ぼうだい」と辞書で引くと「厖大」と出て、厖の字は「常用漢字」でないことが横向きの▼マークで示されます。そうすると世の中に「ぼう大」という表記が登場します。漢字二字熟語で、一方が仮名書きというのにどうも馴染めません。

そうこうしているうちに、人名に使用できる漢字が増え始め、書けないが読める漢字の使用制限が緩和される方向に向かっています。「憂鬱」や「薔薇」などが典型でしょうか。いまに、「金環」「金管」「近刊」「金柑」の意味がが読み分けられれば、書ける必要は一切無いという文化に変質するのでしょうかね。

「川柳」は文字で書かれ、選者に音声で披講され、後に文字になって冊子などになります。選者による誤読もありますし、東西のアクセントの違いで意味の取れないこともあります。「披講を可視化したら如何」なんて意見も出てきても良さそうですが、それでは「披講と呼名」の価値が無くなってしまうでしょう。関東の一度読み、関西の二度読みの違いが時々話題に上りますが、読み方ひとつで句の聞こえ方ががらりと変わります。「一度読み」だって読み間違えば読み直します。二度読みで二度間違える披講者だっています。

またまた、おまけです。句箋の大きさは統一した方が便利だと思います。誰に聞いても反対しません。でも「統一するならうちに合わせろ」という吟者が多いのでしょうね。



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「近藤勝重氏講演」のテープ起こし顛末記”にコメントをどうぞ

  1. 江畑 哲男 on 2015年10月2日 at 5:49 AM :

    団扇さん、お疲れ様です。
    テープ起こしに奮戦の様子、「そうそうそう」と頷きながら(!)読ませていただきました。
    近藤勝重さんの講演、ヨカッタです。
    活字になるのを楽しみにしております。

    • 植竹 団扇 on 2015年10月2日 at 6:19 PM :

      時間を置くと辛いので、一気にやりました。起こす価値のある良い講演でした。大学時代に、学生が集中すると、なお声を落とす教授がいました。立川談志にやられて、耳の遠いかみさんが怒ったこともありましたが。

  2. 山本 由宇呆 on 2015年10月2日 at 8:28 AM :

    山本由宇呆です。ご苦労様です。
    長年コンピューターと付かず離れずに仕事をした経験から
    音源を配布する のが、一番の正解だと思います。
    やれ著作権だ、なんだかんだとうるさくなりましょうが
    昔の ソノシート のように、安価に複製できるツールが
    待たれます。
    でも、それが出来ると 世の中がどう変わりますかね。
    それも 怖いことですね。想像したくもありません。

    とどのつまりは個人別著作権  由宇呆  では、また。 

    • 植竹 団扇 on 2015年10月2日 at 6:25 PM :

       コンピューターを使いこなせてこそ、便利さと怖さを知ることが出来るのでしょうね。町会の役員なので、国勢調査の係をやっています。担当87件中コンピューター回答者は、わずかに27件でした。コンピューターが信用されていないのか、それとも・・・・・・。
       明日は、緑葉で一席伺って参ります。

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