
おばちゃんに「企業機密」を訊く
「企業秘密を訊いてもよろしいですか」不意の質問におばちゃんは緊張した面持ちで「なんでしょうか」と応じた。応える気のあるところから察すると、ただのパート職員ではないらしい。場所は団扇が今しがた鴨南蛮蕎麦を手繰り終えたばかりの「蕎麦屋」のカウンター。「蕎麦とうどんの割合はどれほどですか」「ああ、2体1ぐ...【続きを読む】

母の口癖「ああ、忙しない」について
「忙しないったらありゃしない」は母の口癖。「忙しない」が「忙しくない」の意味でないことは、子供心にも状況で判断できた。大辞林によれば【忙しない】は「忙しい」の語幹に形容詞をつくる接尾語「ない」のついた形だという。接尾語(ついでに接頭語)という「苦し紛れの命名」が怪しげで楽しい。引いてみると接辞の一類...【続きを読む】

東京句会大盛況!!(12月13日)
当日は11時に会場待機、酒屋と弁当屋の到着を待ちました。我が国の業者は律儀で5分でも遅れてはならじと、時間前に到着するのです。弁当屋さんは30分前に到着して、学校(会場の駒込学園)の警備員さんに4万円近く立て替えていただくことになりました。当日は中学3年生の模擬テストが一階であって、「ちわっ酒屋です...【続きを読む】

凩に颪に凪はみな国字
川柳成増吟社で「風」という題が出た。凩(こがらし)、颪(おろし)、凪(なぎ)はすべて国字である。風に似た国字はもう一つあって凧(たこ)である。
互選の中で、「風の部首はなにか」と問われて、門構えみたいな形だから風構えとでも言うのかと思ったがそういう名の構えは無かった」とだけ答えた。あとで調べたら風そ...【続きを読む】

町内の猫を数えて名をつける 団扇
文筆の力は「子猫に名前がつけられるか」が試金石だと・・・・。
十九世紀の英国の小説家サミュエル・バトラー。
筆者の三毛猫は「三毛」谷崎純一郎のペルシャ猫は「ペル」
内田百閒の野良猫は「ノラ」漱石の主役の猫「名無し」
東京新聞筆洗い2015/12/5夕刊より
漱石に及ぶはずはないものの、町内の猫の名付...【続きを読む】