「企業秘密を訊いてもよろしいですか」不意の質問におばちゃんは緊張した面持ちで「なんでしょうか」と応じた。応える気のあるところから察すると、ただのパート職員ではないらしい。場所は団扇が今しがた鴨南蛮蕎麦を手繰り終えたばかりの「蕎麦屋」のカウンター。「蕎麦とうどんの割合はどれほどですか」「ああ、2体1ぐらいでしょうか」 意外な返答であった。というのは、団扇の観察では5体1ぐらいに思えたからだ。
食券(ああ、立ち食い蕎麦と知れたか)には『鴨南蛮そば・うどん』と印字されているので、おばちゃんは畢竟「蕎麦ですかうどんですか」と聞かなくてはならない業務上の責任を負う。蕎麦を手繰る僅かの時間に、聞き耳を立てた結果と「2体1」の返答は大きく乖離していた。ははあ、団扇がふざけて企業秘密などと言ったので、おばちゃんは『うどん』をかばって虚偽の返答をしたと見える。
団扇は別にあちらこちらで大いに語られている、蕎麦文化圏とうどん文化圏について、聞いたような論議を蒸し返す気はない。勿論「刻うどん」と「時蕎麦」についての薀蓄を傾ける気もない。ましてや、蕎麦とうどんの市場調査をする気などさらにない。
それなのに、おばちゃんを一瞬おばちゃんを凍らせるような質問をどうしてしたのか、その個人的な動機については、明日以降のお楽しみ。
夕べ二合ほどの晩酌でどっと暮れの疲れが出て、夜回り一日目を勘弁して貰って、出かけるつもりの着衣のまま眠りこけたら、3時間ほどで目が覚めてしまった。好きな時間に発信して好きな時間に呼んで貰えるブログは、なかなか面白いですね。さて、深夜便聞きながらまた眠るとするか。
団扇さん、こちらにも続けてのコメント失礼いたします。
団扇さんの個人的な動機が気になります。
手打ち(挽き?)でもなさるのかしら。
楽しみです。
団扇さんはどちらをよりお好みですか。
わたしは、こどもの頃はうどんしか食べたことがなかったのですが、
最近は、お店でうどんかそばか、という時には
おそばを選ぶことが多くなりました。
お鍋の〆や、鍋焼きうどんの時は、
そりゃうどんでしょ!と思いますが。
そういえば、鍋焼きそばってないですね。
コメント有難う御座います。品川生まれの信州育ちの父が、「蕎麦は男の食い物、うどんは女の食い物」と言っていたことに強い影響を受けた「個人的感覚」を次回述べる予定でした。その節に。