老年思春期
元気ですかと問われれば
これを元気というのなら
そうでしょうと答えておいて
ちょっとだけ陰った心を抱きしめる
背が伸びて美しさを増して
あこがれに向けて胸は高鳴り
意味もなく走り出すのを止められず
明日ばかりを夢に見ていたはずなのに
今はもう
思っているよりもずっと
思っ...【続きを読む】
夏が好きになる
Excelで一週間の表を作ろうと言い出した
全部で12人の予定と食べる事
買い物メモにお風呂の順番その他諸々
結局は書類の裏の手書きが残ることになった
頭の中に置いておくものがあると
きっと抜け落ちてしまうからと
何もかも書き出せば表の形が崩れていく
誰もが元気で過ごせるようにと頑張る...【続きを読む】
雨上がりの心に
地震 こわい
カミナリ こわい
火事 そばで見たことはない
親父 もういない
近頃こわいものはといえば
バター好きのコレステロール値
壊れているのか妙に高い血圧計
まだ箱から出していない体重計
順調な老化には目を背けながら
健康管理に想いだけ馳せて
羽のように軽い体重に憧れても
計...【続きを読む】
CROSSROAD
まっすぐ行くと行き止まり
右は国道の信号警察署
戻るのも何だから
いつもの左を選びます
知っているつもりのこの道には
季節と時間の彩りと刻々の私の心
いつか知らないところまで
行き着くまでは歩きます
あの日あの時あの交差点で
出会って一緒に歩き始めて
今日も同じ道にいる人と
次の分かれ道まであの角...【続きを読む】
夏のひとりごと
これは?
茄子
暑いのでよく育ちます
これは?
トマト
雨が少ないのでどんどん甘くなります
あれは?
お昼寝の後のお楽しみ
井戸からの水はちょうどよく冷たいのです
「こいわ〜あんだっけわ〜」
よく回らない口の幼い問いかけを思い出しました
今日から私専用の新しいかじった林檎です...【続きを読む】
求道車
先が見えないことがあっても
暗闇ばかり続くのではなくて
足元を照らすものがあったり
雨風は防がれていたりもする
進むべき時間軸の方向は一定で
進む速さは任されているという事実
出口が見えなければ慎重になるし
光さえ見えれば加速するのが常
筑波山朝日峠トンネル...【続きを読む】
夏には夏の
片すみの広大な畑では
おかげさまで少しずつ
季節の野菜が育っています
かの地ではお姫様もすくすくと
そんなわけで
ご飯がわりのお豆腐をと
野菜売り場の「みらいっ娘」ではなく
久しぶりに工業団地まで買い出しです
少し早い百日紅よりも高く
池の噴水の水が上がったのを初めて見ましたが
これっぽっちも...【続きを読む】
なくてもある
お金がない
そんなに貧乏とは思わないがお金がない
5kmを越えないうちに自動販売機で水ボトル
なのにポケットには五千円札しかない
時間がない
24時間の三分の二は起きているのに
あれとこれと何とそれをこなしていると
川柳をまとめる時間がない
若さがない
でもバカさはある
...【続きを読む】
料理上手
むかしむかしおばあちゃまにも娘時代があったそうです
うれし恥ずかしドライブデートは海の見えるところ
ランチは外で二人きりということでおむすびをせがまれました
今思えば形も大きさもソフトボールのようでありました
上品で美味しくて完璧なまでのおむすびが出来上がるまでには
紆余曲折がどれほど重な...【続きを読む】
夏だね!
去っていった季節のことなど
もう誰も覚えてはいないのだろう
たいした兆しもなく
すんごい速さで幕が開いた
命そのものになる時だから
惜しげも無くみんなさらけ出して
抗うこともせずに呼吸だけになる
心と体が一つになってくる...【続きを読む】
でんでんむしむし
土曜日の夜に雨が降ると
天気図の前でまた誰かが大げさに叫んでいる
この週末は土と暮らそうというのが
姫とおばあちゃまの約束なのです
一番おっきいブルーシートを
てるてる坊主を作る代わりに
ジャガイモ畑に広げてみてはどうでしょう
風で飛ばない魔法より雨の降らない術はないの
...【続きを読む】
めぐみの振れ幅
振り子みたいに右に左に
ブランコみたいに前に後ろに
きっといつも揺れているんだよね私
等速運動なら心地よくて
加速度的ならトキメいている
エレベーターみたいな上り下りも
揺れてるっていうのかな
3Dなんだからアリだよね
ホントは4次元なんだから
実はもっとフクザツ
ある日...【続きを読む】
雨だからこそ
すみっこにいた私に空からの雫
肩にそっと大きな手が置かれた気がして
めまいでも感じていないかと心を探った
そこを真ん中にした手まり咲きの花たちは
今年最初の色に染まり始めている
決められてしまったのかここからは自由なのか
晴れた青も
乾いたそよ風も
涼やかな温度もないのに...【続きを読む】
おばあさんはセンタクに行きました
スイッチは入ります
スタートもします
水も出ます
でもいつまでたっても動きません
いくらセーブしても
たまる一方の汚れ物
たらいも洗濯板も井戸端もありませんから
川べりへでも行きましょうかおじいさん
そこで二人は
国道のほとりの◯’sデンキへと向かいます
最新型から安すぎ...【続きを読む】
風来坊
泣きそうだなぁと思っていたらやっぱりね
土砂降りまではまだありそうだけど
哀しいのか淋しいのか口惜しいのか
どれでもないのに雨予報
パチンと指を鳴らすこと位で
高気圧と低気圧が入れ替わってくれて
澱んだ空気が谷間を吹き抜け
誰かさんのところまで届くといいなあ
起伏のある喜...【続きを読む】
めぐみの動静
電話線のことだからと
電話会社に電話しました
電柱の黒いボックスの蓋を
黒いカラスが開けていたのです
自動音声応対から
あまり待たずにオペレーターへ
最後のアンケートまで答えてから
数十分で現場処理という迅速さでした
でも本当に困っているのは
トノサマ...【続きを読む】
梅雨が来る前に
空も飛べるはずなのに
なぜか高いところは
苦手な魔法使いさんです
知り合いさんが切ってくれた高枝は
二人できちんとまとめたのを
別の知り合いさんが処分してくれました
人脈も魔法のうち?
スマホに向かって
何やら唱えていたようですけどね
ところで
庭の畑の桑の...【続きを読む】
人生が二度あれば
夏はいい
去年の紫蘇が片隅に顔を出す
日曜日なら寝ている間に夜が明ける
落葉樹も常緑樹も命の再生のように今を謳歌する
私がわたしを生きるのは
一度きりのことだと
まだ終えてもいないのに知ってはいる
だ...【続きを読む】
Loading...





































