女のためいき
大きめのため息をひとつ春菊ちゃんに聞こえるようにね
そんな私は気が付いたらこんなところにいました
連れてきてくれたのは彼ではありません竜宮城ではありませんから
ウッドチップを敷き詰めたお庭を通って
森の中でもらったものは 木漏れ日の花束でした
渡された番号札の数字には意味はありません
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箱入り娘
もちろん今日はあなたたちのためにあるのですから
鳥よけネットの彼女たちや
一日に何度も見に行くふたりよりも
悩み抜いて決めた外国製のポットに考えつく限りの土作りをしてしっかり時間をかけたのだから夜はお家の中で満開になるまでおしとやかに過ごすのですよ
親にしてみれば世界のナ...【続きを読む】
色とりどりの
時はいつも急ぎ足でお寝坊の私を置いてきぼりにするつもり
それでも朝露の消える前には野草たちの森の中までたどり着きます
そして早い朝の新発見は目覚まし代わりの頭の体操
不思議と不思議なものに目がいきますね
あらあらこんなにたくさんの花びらこれでは親指姫が出られません
もちろんあなたたちの...【続きを読む】
ももぐみとめぐみ
ちょっと前から、この季節にしては冷たい雨の中にボク達はいる。苛められているのではない。乾いた喉にナチュラルな補給というおもてなしだ。
「私と一緒にあの車でお家に帰りたい?」
優しい気持ちはたっぷりと伝わってきた。ボク達が言葉を持たないということは有り難いことだ。心と心は誰と誰でもいつもまっすぐそ...【続きを読む】