「柳豪のひとしずく 勢藤潤」シリーズ(9)
最近のブログで「作品展の句をチャチャチャと書いた」とか「十四彦さんは達筆だった」とか毛筆に関する記載をした。この毛筆での習字に関してはくやしい経験があるのです。以前東京へ新幹線通勤をしていた頃、会社の仲間と大塚の長寿庵というお蕎麦屋さんで飲むことが多かった。長寿庵の女将さんは東京みなと番傘での一年先輩で、お蕎麦屋さんの壁には川柳の短冊が沢山掲げられていた。ある年、佐賀の卑弥呼さんが剣道の大会で上京の機会に長寿庵に行こうということになった。何を血迷ったか「それなら卑弥呼さんの句を短冊に書いて持っていくよ!」と言ってしまったのである。短冊に達筆を走らせる自信などまったくないのに…。そこで家内に頭を下げてお習字のお稽古をお願いすることになった。これがなかなか厳しい先生だった。「いろはにほ」から始まり、容赦なく赤い筆でチェックを入れてくる。やっとの思いで卑弥呼さんの句を短冊にしたため、長寿庵に持って行った。女将さんは「なかなかいいじゃない」と言ってくれたが、卑弥呼さんは無言で笑っていた。そんな訳でお習字の練習はしなければと思いつつ、棚に上げたままの私なのであります。
くやしいが妻に教わるいろはにほ 潤
今日第一水曜日は前橋川柳会の句会日です。
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