句会に出て川柳の腕を磨こう
~句会を通じて柳友とのコミュニケーションを図ろう~
日本全国に多数の川柳の句会があります。すでに色々な句会に参加して川柳を楽しんでいる方も多いと思います。これから川柳を始める方もぜひ一度は句会に参加してみてください。
一人でじっくり句を作ることも川柳の大きな楽しみですが、句会には一人で作っているだけでは得られない発見があります。他の人の句を聞き、自分の句が選ばれたり選ばれなかったりする経験を重ねることで、川柳を見る目も、作る力も少しずつ磨かれていきます。そして何より、句会には「柳友」と出会える楽しさがあります。
句会は川柳の「道場」です
句会では、同じ課題に対して多くの人が句を詠みます。たとえば「窓」という課題が出たとしましょう。自分は「窓」から家族や暮らしを連想したのに、ある人は旅を詠み、ある人は人生を詠み、またある人は社会を風刺する。同じ一文字から、これほど違う世界が生まれるのかと驚かされます。この「発想の違い」に触れることが、句会に参加する大きな意味の一つです。自分にはなかった視点に出会うことで、発想の引き出しが一つ、また一つと増えていきます。
「入選句」だけでなく「選ばれなかった句」からも学ぶ
句会では、選者によって入選句が披講されます。自分の句が呼ばれれば、もちろん嬉しいものです。特選や天位に選ばれれば、その喜びはさらに大きくなります。しかし、私はむしろ「なぜ、この句が選ばれたのだろう」と考えることが大切だと思っています。
言葉が新鮮だったのか。
着眼点がよかったのか。
具体性があったのか。
下五が鮮やかに決まっていたのか。
あるいは、読み手の心を動かす何かがあったのか。
反対に、自信のあった句が抜けなかったときも勉強になります。
どこが弱かったのだろう。
類想句が多かったのではないか。
説明し過ぎていたのではないか。
そんなふうに振り返ることが、次の一句につながります。選ばれた句から学び、選ばれなかった句からも学ぶ。句会はまさに川柳の実践教室なのです。
披講をしっかり聞こう
句会で私が特に大切にしたいのが「披講を聞くこと」です。自分の句が抜けるかどうかだけに気を取られてはいけません。他の人の句にこそ、実はたくさんのヒントが隠されています。
「この発想は面白い」
「この言葉の使い方はうまい」
「なるほど、こんな切り口があったのか」
心に響いた句があれば、なぜ響いたのかを考えてみることも重要です。良い句をたくさん聞くことは、良い句をたくさん読むことと同じです。その積み重ねが、知らず知らずのうちに自分の川柳を育ててくれます。
柳友との会話も句会の大切な時間です
そして、句会の魅力は川柳の勉強だけではありません。休憩時間や句会の前後に交わす柳友との会話も、大切な楽しみです。
「今日の句、よかったですね」
「私はあの句が好きでした」
「その発想はどこから生まれたのですか」
そんな一言から会話が始まります。年齢も仕事も歩んできた人生も違う人たちが、五七五という共通の世界でつながる。それが川柳の素晴らしいところです。句会へ通ううちに顔見知りができ、やがて柳友となり、川柳以外のことまで語り合える仲間になることもあります。川柳は一人でもできます。しかし、仲間ができると川柳はもっと楽しくなります。
句会は「競う場」であり「育て合う場」
句会によっては番傘系句会のように入選句の披講だけで順位付けをしない句会もありますが、一般的には句会では選者による披講が行われ、選ばれた句に順位があります。入選があり、佳句があり、特選があります。ですから、「もっと上を目指したい」「いつか天位を獲りたい」という気持ちも大切です。その向上心が川柳を上達させてくれます。しかし、句会は単に勝ち負けを競う場所ではありません。
人の句に感心し、自分の句から何かを感じてもらい、お互いに刺激を受けながら成長していく場所でもあります。私は、句会とは川柳を通じて人と人とが育て合う場所なのだと思います。
句会へ出て「句会川柳」を楽しもう
川柳が上手になりたいと思ったら、たくさん作ること、たくさん読むこと、そしてもう一つ――句会に参加することをおすすめします。家で一句を考えている時間も楽しい。句会で自分の句が披講される瞬間も楽しい。そして、終わったあとに柳友と「あの句はよかったね」と語り合う時間もまた楽しいものです。句会には、川柳の技術だけではなく、人との出会いがあります。
句会に出て川柳の腕を磨く。
柳友と語って川柳の輪を広げる。
そんな楽しみ方を、もっと多くの皆さんに知っていただきたいと思います。そこには、あなたの一句を待っている句会と柳友がきっといるはずです。
「句会へ行こう」――そこから、あなたの川柳の新しい一ページが始まります。
柳山
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柳山先生のブログに突然おじゃさせていただきます。
私は、今日の一行 ではペンネーム
あれ子と名乗っおります。
今日の先生のブログで迷ってた、10月の金町大会に参加させていただいてみようと思いました。
下五文字に命吹き込む自信は
無いかも知れませんが、行きたくなりました。
結社には入ってませんから柳友は
いませんが、大会の空気を胸いっぱい
吸い込んで来れたらいいなぁと、今は思っております。
先生はご自分の知識を出し惜しみ しないところがとても魅力的です。
また、ブログにおじゃまさせていただいてよろしいでしょうか。
あれ子
あれ子さん
こんにちは。コメントを有難うございます。金町の川柳大会ですと、10月12日開催の「かつしか・向島合同川柳大会」ですね。課題はもう案内されていますのでご存じかと思いますが、下記の通りです。開場:午前11時 会場:金町地区センター 投句拝辞
投句拝辞ですので会場に出向いて出句が必要です。是非参加して川柳大会の面白さを体験されることをお勧め致します。選者はいずれも川柳界を代表するベテランの選者ばかりです。私もこの川柳大会には参加の予定です。それぞれの課題の「見立て」と出来れば選者の「選句傾向」も分析して出句されるといいと思います。是非川柳大会を楽しんでください。
「素顔」 栃原輝昭氏 謝選
「急ぐ」 齊藤由紀子氏 選
「強引」 尾藤川柳氏 選
「羨む」 山口早苗氏 選
「駆け引き」島田駱舟氏 選
「束の間」 佐道 正氏 選
「写真」 松橋帆波氏 選
特別課題 「舵取り」小池主計氏 謝選
この川柳ブログへのコメント歓迎です。どんな感想や質問でも結構ですのでお知らせください。分かる範囲で返信をさせて頂きます。今後とも宜しくお願い致します。柳山
先生返信ありがとうござます。
金町大会はマガジンの副編集長の麻衣子さんも毎回取材にいらしてます。
副編麻衣子さんの雰囲気が私は大好きなんです。それもありまして金町大会が気になるのです。
あのう…見たて、どういうものなんですか。それと私このごろ川柳が下手になった気がします。だから前が上手と云ってるのではありませんが…。
柳山先生も金町大会にお出でになるのですか、お会い出来るのが嬉しいような、恥ずかしいような、怖いような複雑な気持ちです。
先生のブログから、先生を想像すると是非ともお目にかかりたいです。
10月になりましたらインフルの予防注射して体調気をつけて当日を待ちます。
今夜から簡単で深い下五文字を考えます。忙しく楽しい日々が続く予感がします。
先生 、心のこもった返信本当にありがとうござます。
あれ子
あれ子さん
ご質問有り難うございます。それでは川柳の「見立て」について解説します。課題吟では、題の意味をそのまま詠むだけでなく、そこからどこまで発想を広げられるかが大切です。それが川柳でいう「見立て」になります。発想を広げた「見立て」と「課題の距離感」も大切です。課題そのものを説明しては「説明句」になりますし、課題から離れても課題に沿った川柳ではないということで評価が厳しくなります。適度な課題との距離感は難しい問題ですが、あれ子さんの思うままに「見立て」を行い発想を広げて川柳を創句してみてください。それが川柳の力をつける基本になります。
今回の課題は、どれも日常生活から人生、社会まで発想を広げられる課題です。特に大切なのは、課題そのものを説明しないことです。その人が何をしたのかという具体的な場面を切り取ることで、川柳らしい人間味が生まれます。課題から最初に浮かんだ発想をそのまま句にせず、もう一歩奥へ。そこに「類想句」を抜け出すヒントがあります。
最近川柳が下手になったと書かれていますが、心配いりません。それは「上達の兆し」です。そのエネルギーが次の川柳への原動力となります。「逆に満足したとき、上達は止まってしまいます。下手になったと思われるのはご自分の期待のハードルが上がった証拠です。心配することなく川柳に邁進してください。「道はかならず開けます」頑張ってください。
それでは10月の川柳大会大いに楽しんでください。
柳山