下野川柳会の休会のお知らせに思う
~慶応3年創立、160年の歴史に幕~
川柳界にとって、まことに寂しい知らせが届きました。慶応3年(1867年)創立という、わが国でも屈指の歴史を誇る下野川柳会が、2027年1月発行の句誌・通巻1900号をもって休会するとの発表がありました。このお知らせが下野川柳会の柳誌「川柳下野」7月号に掲載されました。
慶応3年といえば、まだ江戸時代です。慶応、明治、大正、昭和、平成、令和と、六つの時代を歩み続け、2027年には下野川柳会は創立160年を迎えます。その長い歳月を思えば、「160年」という数字の重みには、ただ驚嘆するほかありません。
戦争や震災、社会の変化など、幾多の困難を乗り越えながら、句会を開き、句誌を発行し、川柳の灯を守り続けてこられました。通巻1900号という記録は、歴代の代表者、編集者、選者、会員の皆様が、一号一号に心血を注いできた結晶です。
句誌には、作品だけでなく、その時代を生きた人々の喜怒哀楽が刻まれています。人生の機微を五七五に託した無数の句は、地域の文化を支え、日本の川柳史を形づくる大切な足跡でもあります。
「休会」という言葉には、どこか再開への願いが残されています。しかし、160年にわたって受け継がれてきた活動が一つの節目を迎えることは、川柳界全体にとって大きな出来事です。近年、会員の高齢化や後継者不足により、歴史ある川柳会や句誌が活動を終える例も少なくありません。下野川柳会の休会は、私たち一人ひとりに、川柳文化をどのように次代へ伝えていくのかを問いかけています。
会の活動が休止しても、そこから生まれた作品や柳人たちの思いまで消えることはありません。句誌に残された一句一句は、これからも読む人の心に語りかけ、川柳の歴史の中で生き続けることでしょう。
この内容は「東京みなと番傘」9月号にも掲載を頂く機会を得て、下野川柳会、野口直子代表からも直接ご連絡を頂き、川柳下野9月号にも掲載されることになりました。
最後の通巻1900号まで誌面を作り続ける野口直子・柳岡睦子共同代表をはじめ、関係者の皆様のご尽力に、心から敬意を表します。そして、160年にわたり川柳の灯を守り、今日まで川柳の灯を消すことなく繋いでくださった歴代会員の皆様に、深い感謝を申し上げます。
下野川柳会が築いた偉大な足跡を、私たちは忘れてはなりません。その精神と文化を受け継ぎ、川柳の灯を次の世代へつないでいくことが、今を生きる私たち川柳人の務めではないでしょうか。
柳山
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