「川柳作家ベストコレクション 勢藤潤」シリーズ(47)
私の故郷は富山県の片田舎。大学を卒業するまで北陸の天候の下で過ごした。就職して関東に来た時一番驚いたのは晴れの日が多いことである。北陸では「弁当を忘れても傘を忘れるな」と言われている。特に冬場は厚い雲の下で室内で過ごすことが日常だった。そんなことで私のような根暗な人間が出来上がったのかもしれない。退職したら古里に戻ろうと金沢生まれの家内と昔は話していたが、冬場の雪かきの大変さを考えるともう二人とも戻る気はなくなった。ご先祖の苦労も顧みず、安楽に生きようとしている自分がいる。
しかし、今年度の都道府県幸せ度ランキングを見ると、1位福井県、以下、東京都、長野県、石川県、富山県と雪国の北陸三県が上位に入っている。住んでいる群馬県は41位!冬場の忍耐度が表れた結果かもしれない。
古里は傘を畳めば雨になる 潤