Loading...Loading...

聞き慣れない言葉をスマホで検索すると、〈一に居酒屋二にアニメ〉が飛び出します。そんな中で、たまたま掘り出し物の情報にぶち当たることもあります。それが夕べのラジオ落語「桂三枝の大阪レジスタンス」です。20××年、政府から「全国言語統一令」が発動されるという噺です。大阪弁を喋っただけで〈厳重注意〉から〈拘束・投獄〉しまいには〈死刑〉にまでに及びます。三枝の巧みな話芸に会場は爆笑の坩堝です。まさにかつての〈治安維持法〉の経過を擬えるネタで「それこそ、笑いごとではおまへんで」なのに大笑いなのです。それでも、ふと頭をよぎったのは「あんさん、そんなアホなことがありますかいな」という大阪人のほうが、本当にあったら命がけでレジスタンスに立ち上がるのではないかという思いです。「そんなことは絶対あってはならないことです」という標準語のほうが、いざとなったらひ弱なのではないかと思えたのです。〈新婚さん、いらっしゃい〉以来ご無沙汰していた三枝さんの気骨に触れた気がしました。

子どものころから銭湯通いが日常だった団扇は、よく彫り物のお兄さんに会いました。暮れに門松をたてに来てくれる馴染みのお兄さんです。門松といっても10センチ角の柱を立てて、申し訳程度の松を結び付けた程度の代物です。「これは坊や刺青じゃなくて彫り物なんだよ」と教えられました。岡惚れした女性の名を腕に彫って、「一緒になってくれなければ、この腕を切り落とさなくてはならない」と口説いたかどうかは別にして、「腕のおふくろ」も「本物のおふくろ」も萎びるまで、添い遂げたのでしょうか。



この投稿を読んで「いいね」「参考になった」と思ったらクリックをお願いします。
なお、Facebook、Twitterなどのアカウントをお持ちの方はそちらをクリック頂き、また、「ひざポン」ボタンもクリックください(ひざポンは無記名ボタンですのでお気軽にクリックください)。

コメントはこちらから

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Post Navigation

Copyright All rights reserved. SHINYOKAN PUBLISHING illustration by Nakaoka.K