車なら
あと5分だけ
朝寝坊
免許をとろう
レインボーモータースクール
👆 長生きも芸の内 岡本文弥
この575は都営三田線内の広告です。免許取得にかかる時間と費用・自家用車の購入代金・車庫代・重量税・ガソリン代などなどを考慮に入れても、5分の睡眠時間の方が価値が高いという趣旨のCMです。
サラリーマンの定期代は余程高額でない限り、企業が全額負担するはずです。定期券は途中下車が自由に出来るので便利です。もっとも、敬愛する噺家さんの一人である林家彦六師匠は、寄席から貰った定期券を寄席以外の用事には使用しなかったという逸話もありますが。
さて、首都圏に住むサラリーマンの平均通勤時間は、どれほどでしょうか。時間外労働時間の平均はどれほどでしょうか。平均睡眠時間はどれほででしょうか。
この川柳(キャッチフレーズではなく)の手柄は5分にあります。30分では字余りになるだけでなく、リアルな切迫感が失われてしまうからです。
睡眠時間を確保するするために更に早出をして、準急や急行を利用せず鈍行の始発で眠る方法を取る人も知っています。〈車ならあと5分だけ朝寝坊〉優れて悲しい時事吟だと思いませんか。
文弥氏の新内「十三夜」とか「ぶんやアリラン」を思い出しました。「ながいきも芸の内」には一筆書きのようなカット絵も愛嬌があり,粋な生き方をされた芸人さんのようで・・・。
1968年前後の出来事です。文京区白山の路地裏で何かの依頼で飛び込んだ家の主が、文弥のお弟子の岡本染八さんのお宅でした。親切に街の様子や、隣近所を紹介して頂いただけでなく、相棒と二人で昼食のご馳走になりました。近くの小さな洋食屋さんで食べ終わるまで、当の染八さんは、煙草をふかして待っていてくれました。大学二年生で文弥の名を知っていたことを、染八さんは褒めてくれました。