Loading...Loading...

   忘れん坊将軍ならばすぐなれる

☝ 作者近影、掲載をお許し済み

 あちこちチャンネルを替えてみたが、暴れん坊将軍で止めた。とくに観たいわけではないが、この種の番組は安心して見ていられるからだ。なにが安心かといって、主人公が殺される気遣いがない。途中から見ていても、およそ筋の見当はつくし、いつでもトイレに立てるし、結末を観なくてもそれほど後悔しなくても済む。だから、手に汗握ることもなく、ボッーと観ているうちに、

「ああ、ぼくは暴れん坊でないし 、あんなに腕も立たない。鍋の前で奉行になることはあっても、将軍の柄でもない。なれたとしても、忘れん坊の将軍だろうか。あっ、これ川マガ東京にでも出してみるか」

といった塩梅で出来た句であろう。「最近の物忘れに対する自嘲の句」なんてのは後付けの副産物である。暴れん坊をあれこれ捻って、あまえん坊・あわてん坊・いやしん坊・くいしん坊・さみしん坊などと並べた揚句に「忘れん坊」に落ち着いた創作句でもなかろう。

互選の参加者が評価したように「すぐなれる」が、たまらなく良い。「忘れん坊」はすでになっているのだから、「すぐになれる」のは「将軍」であろう。

と、思ったのだけれども、違ったら御免なさい。

 

 

 



この投稿を読んで「いいね」「参考になった」と思ったらクリックをお願いします。
なお、Facebook、Twitterなどのアカウントをお持ちの方はそちらをクリック頂き、また、「ひざポン」ボタンもクリックください(ひざポンは無記名ボタンですのでお気軽にクリックください)。

秀句鑑賞、忘れん坊将軍”のコメント欄です

  1. 高塚 三郎 on 2017年8月24日 at 4:08 PM :

    例会の時、この句に出会い、テレビの「暴れん坊将軍」とだぶり、「いいなぁ!巧いなぁ、忘れん坊将軍か」「すぐなれるか」・・・ついニヤリとしました。このところ忘れ物や探し物が増え、どっこいしょと座り込んでしまう日々でした。

コメントはこちらから

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Post Navigation

Copyright All rights reserved. SHINYOKAN PUBLISHING illustration by Nakaoka.K