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  大漁         金子みすヾ

朝焼小焼だ  大漁だ
大羽鰮の   大漁だ

浜は祭りの  ようだけど
海の中では  何万の
鰮のとむらい するだろう

金子みすヾは、宮沢賢治と並ぶアニミズムの巨匠である。アニミズムは、あらゆるものに生命を認める考え方だ。動物や植物をはじめとして、場合によっては石までも生きているとする世界観である。原始的な宗教や子供の心性に典型的に見られる。宮沢賢治は『楢の木大学士の野宿』で 地中の鉱物たちの声を聴く力を描いているし、金子みすヾは、石ころを「きのうは子どもを・ころばせて・きょうはお馬を・つまずかす」と歌っている。
みすヾの作品を発掘した矢崎節夫は、みすヾの童謡を「小さいもの、力の弱いもの、無名なもの、無用なもの、この地球という星に存在する、すべてのものに対する、祈りのうただった」と言っている。
みすヾは山口県の仙崎という漁師町で育ち、大羽鰮の時期には夜中じゅう子供までが総出でにぎやかに地引網の綱を引いたという。この詩の持つ力はそうした原風景からきているのだろう。

  『声に出して読みたい日本語』斎藤孝・ 株式会社 草思社

    富山平野に突き刺さる焼夷弾   由宇呆 (由宇呆の原風景)

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