読売新聞朝刊、17年7月1日付、13面・解説欄。論説委員「竹内政明氏」の文章より。
陰暦七月の異称「文月」は一説に、七夕の竹に付ける文(ふみ)に由来するという。手紙にゆかりの深い月である。それにしては、はがき君の顔色が冴えない。先月から、はがきの料金が10円値上げされ、62円になった。(ぬかる道の「ビギナーズ道場」にご縁のある、往復はがきも、往復それぞれ10円上がった……由宇呆)約2割の値上げと考えれば、時代はいよいよメールに傾斜して行くことになりそう。
「手紙は心の貴族が書く」とは、英文学者、外山滋比古さんの言葉。心の豊かな人はどんなに忙しく、あわただしい生活をしていても、手紙を書く時間を見つけるものだと。手紙にあってメールにないものは、ゆっくり流れる贅沢な時間を贈り贈られる喜びだろう。
心の貴族 で、思い出す人に、映画「男はつらいよ」の寅さんがいる。彼の旅先から届く、金釘流のはがきの筆跡はファンにお馴染みである。
〈私事、思い起こせば、恥ずかしきことの数々、今はただ後悔と反省の日々を過ごしおりますれば……。車寅次郎〉
また旅先からもらう手紙には、文面の向うに幾つもの影絵が浮かんで楽しい。そろそろ夏休みの予定を立てる方もあるに違いない。住所録を旅装に加えてはいかがだろう。・・・後略。
買い置きのはがきが肩身狭く居る 由宇呆
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