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 Jさんから妻Yに電話。「あっ、もしもしYさん?朝からKさんにずっと電話掛けているのに、出ないのよ。なんかあったんじゃないかしら?心配で仕様がないのよ、Yさんからも連絡して確かめてくれないかしら」傍受した主用件は以上であり、復唱してみると約10秒の内容である。ところがである。この電話は延々と25分強続いたのである。

 買い物や会合の打合せなら兎も角も、場合によっては緊急事態に発展し兼ねない事件ではないのか?映像だけになったテレビに注意を集中しつつも、Jさんと妻Yの会話を監修すると、「常日頃からJさんがKさんにいかに心を砕いて接しているか」という「口説き節」ということになろうか。

 ようやく受話器を置いた妻Yもかなり困憊している。「急ぎの用ではないのかい?」と私。「分かっているわよ」と妻Y。テレビの消音を継続したまま、妻YはKさんを呼び出す。意外にもKさんはすぐに応じる。「あら、居るの?こうこうこういう訳でJさんから電話があったんだけれども、どうかしたの?」と妻Y。「きょうは一日中、外出していたの。たった今帰って来て腰おろしたところなの」とKさん。贔屓目にみて以上30秒で足りる用件。

 そうか25分は無駄ではなかったのだ。もしも妻Yの電話が間髪入れずにされていたら、騒ぎはJさんと妻Yからどこまで飛び火していたか分からない。「じゃあ、Jさんが心配しているから、Kさんから電話して安心させてあげて」で一件落着、テレビは音声を取り戻せたはずであった。

 ところがさにあらず、今度はKさんとのやりとりが全く公平なことに25分間続くことになる。同じく団扇が監修したところでは、「Jさんは、色々と気を回してくれるのは有難いのだけれども、このことに限らずに的が外れていることも多いので、逆にくたびれてしまうのよね」JからY,YからK,そしてKからJ、このトライアングルはどこまで続くのであろうか。「♪、ちょうど時間になりました。本日はここまでで読み切り」

 「あなた、お風呂に入ってから寝るんでしょ」と妻Y。「うん、きょうはテニスも3時間もやって草臥れたから、そうしようと思っていたんだけど、今の電話でもっと草臥れたから寝ることにするよ」と団扇。

 寝床に入って「深夜便」のスウイッチをいれながら、「どうも仕様がないね女の人の長電話は」とため息をついたあとに、まったく別の想いが頭をもたげた。「おや、ぼくは妻Y達のことを羨んでいるのではなかろうか?」

 東武東上線の東京の外れに住む妻Yは、京王線の東京の外れに住む妹Mと片道90分の距離をものともせずに年に10回はあって食事を共にしている。

 「父も母も他界して二人しかいない兄弟なのだから、年に二度は会って一杯やろうや」と兄団扇の提案に、川崎に住む弟Rは答えたものだ「年に二度も会わなきゃなんないかい?」

 というわけで、きょうも深夜便の時間。お休みなさいませ。

 

 

 



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