Loading...Loading...

あるサイトでネット句会を楽しんでいる。先月の課題「はじまり」にある方が「川柳のはじまり巨匠のぼろっかす」と投句された。以前にそんな逸話を聞いていたのでその巨匠が誰だかはすぐに分かった。田頭良子さん(故人)である。

田頭良子さんに最初にお会いしたのは平成13年の修学院川柳大会(吉野ケ里川柳大会の前身)。大会後、真島家の皆さんと食事をしていた際に声をかけられた。「あんたどこから来たんや」「群馬県です」「群馬に有名な川柳家っているんか」「いえ、特に」。その後のカラオケでは迫力満点の「ろくでなし」を聞かせて頂いた。いかにも大阪のおばちゃんといった感じだったが、真島家のお嬢さん方の「川柳のお母さん」を自認されていた。

ある時の大会後、帰りの電車で良子さんと二人きりのことがあった。「喋らんといてや」と言って川柳界の裏話を延々と聞かされた。そんな話は家に着く頃にはすっかり忘れ去っていた。知らない柳社の話ばかりであった。

平成15年の番傘本社「新人同人おめでとう会」では司会の良子さんから「あんた新人代表で挨拶しいや」と突然言われて慌てたこともあった。後で「あんなに長く話さんでもよろし」と…。この時、森中惠美子さんに頂いた色紙「お宝という海の友山の友」は今でも大切にしている。

田辺聖子さんの「道頓堀の雨に別れて以来なり」に良子さんの句が掲載されている。「いじめ甲斐ある人を待つきゅうりもみ」。田辺聖子さんとは親交があったらしい。

本棚の奥から良子さんの句集「もなみ抄」(平成9年葉文館出版)を取り出して読んでいる。この川柳句集の中で、田辺聖子さんが「句の余韻」という一文を寄せられている。
「極上の脂身がかんばしく火に炙られて、芳香を放ちつつ、ジュウジュウと膏をしたたらせるというようなおいしさがあるのだ。」が良子さんの作品への聖子さんの感想。

聖子さんが取り上げられた句は、
卒業生の記念樹だけが伸びて過疎
蟹せせる貧富の差などない手つき
中風封じの箸哀しいが買うてゆく
注意せなあかんでともう妬いている
酒豪というおんな意外なおちょぼぐち
肩に手をおくから女泣きやまず
離れたらあかん他人にすぐされる
芸妓はんになりたいいうて叱られて
いらだちやおとこの去った座のぬく味

ひょんなことから、今は亡き田頭良子さんを想い出し、真島家の人々を想い出していた日々でした。

遠い日の記憶顔出すもなみ抄   潤

ポストする LINEで送る ブックマーク
❤️ ひざポン
ありがとう!

気軽にポチっと
どうぞ(無記名)

遠い日の...”にコメントをどうぞ

  1. SHIG on 2021年2月7日 at 4:02 PM :

    案外繁くお付き合いがあったのですね。
    田頭さんの肩書は番傘では大阪支部長だったと思います。
    神戸大学の文科系だけの同窓会がありまして名前を凌霜会と言います。
    大阪梅田の再開発ビルの一つ駅前第三ビルの中にそのサロンみたいなのがあるのですが田頭さんはそこの支配人をしておられたのですね。
    そのご縁で神戸大学卒業生の一人が川柳の会をやろうやといって田頭さんを主宰者にして始めたのです。
    私は神戸大学の卒業生ではありませんがビジネス上親しくしていた人が「こんど川柳の会をはじめることになったからあんた神戸大学出身でなくともいいから付き合ってや」と誘われて行ったわけです。
    多い時で10人ほど、数年続きましたが「私も歳を取ってきたしいつまでもこんな下手の会に付き合う暇がなくなってきた」といってやめられました。
    その後数年会員相互運営でやっていましたが、5年ほど前にその中心人物が亡くなり自然消滅的にやめになりました。

  2. 勢藤 潤 on 2021年2月8日 at 7:54 AM :

    SHIGさん

    コメントありがとうございます。良子さんは晩年番傘川柳本社の編集部長も務められていました。川柳をしてるといろんなつながりができて面白いですね。早くコロナが去って大会で皆さんに会えるといいですね。ネット句会もよろしく!

  3. 久美子 on 2021年2月10日 at 4:35 PM :

    コメント遅くなってごめんよぉ~m(_ _)m

    私もときどき良子さんを思い出すよ。
    我が家は、たくさんのことを教えてもらったなぁ。
    寿美ちゃんと誕生日が一緒だから、絶対に忘れずに電話してたもん。
    良子さんとジュンジュンのお揃いのラブラブキーホルダーはどうなった?
    ヤモリかイモリの形したやつ!!!笑

    天国で、お父さんといっぱい話をしてるんだろうね!

    • 勢藤潤 on 2021年2月10日 at 7:34 PM :

      寿美ちゃんと同じ誕生日とは知らなかった!
      お揃いのキーホルダー? まったく覚えてないよ( ;∀;)
      お揃いの茶碗を買わないかと持ち掛けられたが、お断りした覚えはある。
      良子さんは生意気なおじさんと思ったことだろう。
      天国で清弘さんは良子さんの話を聞いてるだけだと思うよ…。

勢藤潤 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Post Navigation

Copyright All rights reserved. SHINYOKAN PUBLISHING illustration by Nakaoka.K