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 世界陸上をテレビ観戦していて、「やり投げ」の英語表記がjavelin throwであることに改めて気づいた。英和辞典を引くとjavelinは「やり投げ用の槍で、戦闘・狩猟の槍spearと区別される」とある。

 spearの技術の眼目が、戦闘の相手や狩猟の獲物に的中させることにあり、できれば遠方まで届くことが期待されるのは言うまでもない。飛び道具は、反撃から身を守ってこそ、その価値があるのだから。敵からの距離は大切な要素であるわけだ。

 spearを起源としながら、運動文化として発展したjavelinは、的当てからlong throwの要素だけが自立した競技ということが出来る。

 いやいや、的が広いとはいえ一定の角度に落とさなければならないルールがあるはずだと反論がありそうだ。しかし、それは飽くまでも競技の運営上の便宜と他の種目の競技者の安全から配慮されたルールである。

 投擲の技術が向上して、フィルドからトラック(走路)へ、場合によっては観客席にまで飛び込む事態に備えて、飛ばない槍(短くする)にルール変更されたことでも、そのことが理解できる。

 やり投げが、的当てよりも距離に優劣の基準が置かれたのに対して、射撃やアーチェリーが的当てに優劣の基準が置かれたのも運動文化への発展の筋道として興味深い。

 さて、せっかく手元に辞書があるので、次の項目をご覧あれかし。

なすのよいち【那須与一】鎌倉初期の源氏の武将。名は宗高。与一は通称。与一・余市とも。下野(しもつけ)国那須の人。弓の名手。屋島の合戦で平家が舟に掲げた扇の的を一矢で射た話が平家物語にあり、後世、謡曲・浄瑠璃などに脚色された。生没年未詳。

 先に、運動文化(スポーツ)が戦闘や狩猟の手段や技術から純化したと述べたが、実は戦闘の最中でも、技術を技術として評価し合う価値観が存在したのである。だから、矢が見事に扇を貫くと、平家側も「船縁を叩いてどよめきけり」となったのである。

 次回はハンマー投げhammer throw についての閑話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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