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☝ 羽交い締め

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          ☝ 羽交い

痛きほど母の羽交いの嬉しこと

 「美しいこと美しいこと」という題の前句付で出された句です。互選では点が入りませんでしたが、その日の選者は採りました。団扇は、辞書も引かずに「羽交い」を「羽交い締め」と解釈したので採れませんでした。

【羽交い締め】背後から相手の脇の下に差し入れた両手を、相手の首の後ろで組んで強く締め付けること。

【羽交い】①鳥の左右の羽の、畳んだときに重なる部分。②はね。つばさ。

作者は、自分の句を解説するときに、写真②の動作を示して、母に抱かれた遠い記憶を辿るようでした。

「羽交い」にそういう動作を意味する用例があるかどうか調べましたが見当たりません。別の勉強句会で聞いてみたら、車椅子の人を前から「ハグ」することが出来ないので、このようにする風景をよくみるという感想を得ました。そう言われてみれば、姉や兄が、妹や弟を、年長の者が年少の者をこうする風景や写真をなんどもみた記憶が蘇りました。

身体の接触による感情表現には、民族的な差異があるのでしょうが、前方より後方からの接触のほうが、控えめで相手を安心させる場合があるのだなと思いました。

はぐ(hug)に対して羽交い(ハガイ)という新語を広めても良いのかなと思わせる一句でした。

 

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