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「麻衣!💛 最近、お近くに引っ越して参りました。ようやく整理も終わりましたが、忙しさに紛れて、ご挨拶が遅れて申し訳けありません。確認」そんなメールが突如として舞い込んで来た。麻衣子さんなら、川柳マガジン社の辣腕記者、竹田麻衣子さんだが、麻衣さんは存じ上げない。一週間ほど前に拙宅の斜め前に転居されて来た若夫婦がいるので、てっきりその方からのメールと思い込んだ。

どうして、ぼくのメールアドレスを知ったのかと訝りつつも、「最近の若い方はずいぶんと変わったんだね。」などと妻と話しながら、「それにしても麻衣!💛はないよね」とまだ疑わない。「きっと、転居の通知を友達に大量に送るついでに家にも送ったから、そうなったんだろうね」なんて呑気に構えていた。メールの最期に🎂のマークがついているので、「引っ越し蕎麦ならぬ引っ越しケーキでもくれるのかね」なんて皮算用までする始末。〈騙すより騙されるのを選ぶ質〉なんて句をつくって興にいってるお人柄だから救いようがない。

ところが、一向に挨拶にあらわれる様子がない。「まさか、都合の良い時間にケーキを取りに来いという意味かな」なんて女房と話しながら、「もしそうならば、ケーキは日持ちががしないからな」なんて独り言。意味不明というか、疑問の多いメールなので、特に【確認】の意味が呑み込めずに返信をした。「老夫婦でよく意味が理解できません」

すると、時を置かずに麻衣さん以外の方からも、矢継ぎ早にメールが相次いだ。「折り入ってご相談があるのですが」「来週の週末はご予定はいかがですか?」「わたし、42歳まで処女を守り通しております・・・・」ここで、ようやく発信人は転居されてきた隣 家の若奥様ではないことに気付いた。だって、若奥様には、子供が二人いるもの。

昨日は、緑葉の句会に招かれて出席してきた。お世話様でした。句会のあとお茶をして 増尾のプラットホームでその話をしたら、「それを迷惑メールというのよ」と日下部敦世さんに大笑いされた。「auに行ったらメールアドレス変更の操作してくれるかね」の質問に敦世さんの笑顔が消えて、「おっさん、付き合いきれんわ」という表情に変わった。

電車を待つ間にも、Eメールは四件飛び込んだ。その度に、Eメール・受信ボックス・削除を繰り返し、auに行って「おっさん扱い」されるより当面は根気比べをするかと心に決めた。なお、発信者は生身のお姉さまでなく機械であることも敦世さんに教わった。

きょうは、白金のいきいきプラザの句会に出席予定。港番傘の坂牧春妙さんの追悼句会。献句は、〈開けない朝も来ると春妙覚悟の句〉東葛川柳会の吟行会が恵比寿ガーデンで行われた際に、多分席題「開ける」で天に抜かれた句〈生涯に一度明けない朝がある〉が印象に残る。お亡くなりになる何年も前の作品だから、作る方も聞く方も「辞世の句」なんて意識なんてなく、穿ちの利いたユーモア句として感心した記憶がある。ああ、辞世の句なんてものは、死ぬ間際に詠むものでなく、日常の覚悟を詠むものだなといまにして思う。採血採尿涙は誰も取りに来ぬ(今川乱魚)を思い出す。

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「迷惑メール💛」との初遭遇”にコメントをどうぞ

  1. 田辺 進水 on 2015年10月4日 at 8:06 AM :

    いい情報をありがとうございました。私は騙されやすい性質なので気を付けます。

  2. 江畑哲男 on 2015年10月4日 at 5:47 PM :

    坂牧春妙さんの作品は、
    「一度だけ明けない夜がやってくる」でした。
    宿題「夜明け」の軸吟です。
    念のため、訂正しておきます。
    (『ぬかる道』2013年6月号所収)
    それにしても、大丈夫でしょうか?
    「騙すより騙されるのを選ぶ質」なんてアニキが言っていると、心配になっちゃいますよ。

    • 植竹 団扇 on 2015年10月6日 at 11:21 PM :

       有難うございます。メモが無かったものですから。ただ、洒脱なユーモア句?を将来の辞世の句と直感した団扇に、春妙さんは笑顔で答えてくれると思います。物心が付くと言うことは、人間はやがては死を迎えると言うことを直感することではないでしょうか。アニキなんです。1949年、哲男さんは1952年だから。

  3. 太秦 三猿 on 2015年10月5日 at 11:37 AM :

    面白いお話でした。でも今頃処女体験なんて。ずいぶん奥手ですね。多分これから嫌になるほど来ると思います。頑張って(?)ください。

    • 植竹 団扇 on 2015年10月6日 at 11:25 PM :

       かみさんに話したら、ただちにAUに行って手続きしなさいと諭されました。間違えて他のキーを押さないように注意しながら、あの手この手のメールを楽しんでおります。
       この人?たちは十二桁を楽しみに待っているのでしょうね。

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