「獺祭」が匂うヤンキースタジアム 宮本 次男

こんな句に出会いました。N句会で披露して「どんな意味だと思いますか?」と問いかけましたが、みなさん首を傾げるばかりでした。「ビールいかがですか?」は球場に似合って風景ですが、「獺祭を」をチビチビやりながら観戦していたファンがいるのかなと想像してみました。その観客は大谷翔平の贔屓かな?ことによると日本人かな?
ヤンキースはア・リーグ、大谷の所属チームはエンゼルスで同じくア・リーグ。西と東の違いはあるけれど、年間どれほどの試合数があるのかな?ずっと外側から調べを進めながら、試しに〈ヤンキースタジアム獺祭〉と検索すると、一発で解答が出ました。ニューヨークに進出を計画した旭酒造にスタジアム側からスポンサー契約が打診されたというのです。句の鑑賞のためには不可欠な情報です。もしも、句会で出会っていたならば、???のままに採ったかも知れません。
実はこの句は、ある川柳会に掲載された(自選)欄の作品です。団扇に求められているのは、鑑賞文であり選と評論ではありません。ましてや添削などとは全く異質のものです。しかし、考えてみると作品に向かい合う姿勢は、「作者の思いにどこまで寄り添えるか」「背景にある必要な情報をどれだけ知り得るか」を大切にするべきだと思います。川柳に関わる人々は、句会や誌上で「抜かれた句」で作家を評価することが多いと思います。他者に抜かれることから独立?した(自選句)に作者の特徴があると考えるべきでしょう。そんな、思いもあって、それほど作句歴の長くない方にも「句集」を出すことをお勧めしています。ついでに、どんな句を詠まれるかと、どんな句を採るかとの関係も多様で興味を惹かれます。
宮本次男様、勝手に引用させて頂き、申し訳ありませんでした。
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