

都バスのアナウンスが「だいかんのん」だった時期があって、「おおがんのん」と訂正の電話をしたことがあります。「この通りは、最近お子さんやお年寄りの事故が多くなっています」のアナウンスも半世紀変わりません。あの頃のお子さんは、そろそろお年寄りになっているでしょうに。
きっと小六の時と思われます。SSという名の担任の先生が休んだ折に、兵隊の階級を連想させる苗字のオールバックの先生が代講に表れました。算数の時間でした。なまじ教科書を進めると、担任の授業の邪魔になるので、「取って置き」を出しました。
5+□=8 と大書すると。
この□の中に、なにも書かずに答えを書きなさい。頭を捻る生徒たちを見回りながら、僕の前で足を止めた彼は「君は、なかなか考え深い子だね」言いました。手も足も出ないのに、そう見えたのですね。
余程経ってから、「誰か分かったかな?」と問うと、Uさんという女の子が、颯爽と挙手して出て行きました。
5+□=8 □=8-5 □=3
「うん正解、よく知っていたね」彼は「知っていた」と言い、「出来た」とは褒めませんでした。当時珍しかった塾で教わったと思われます。「中学に行くとこの□をXであらわすことを習うよ。」と先生は言いました。中学に行くのが楽しみになりました。□は空欄を連想させますから、中に数字を書きたくなります。Xの中には書けません。見事な導入でした。
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