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足元の街の名は「桜木町」です。向こうに見えるのは「みなとみらい」。今ではこんなに立派になって、もちろん私が知っている半世紀前を言葉で表すのはとても難しいのですが、そこには図書館があってね。何のために行ったのか今では私自身もよくは覚えていません。大事なのはそこでの二人の会話です。まるで純愛映画の心に残るような(私には残っている)台詞が交わされたのです。あの瞬間がなかったら、今の私たちは今のようではなかったと思われて仕方がないのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも実は、そんなノスタルジーに浸りたくて来たのではありません。この連休の後の人出の隙間を狙って街を包み込むようなバラを見に。そんな大義名分を掲げてはいても、右側の建物がピンポイントの目的地です。ちょっとだけ下調べをしたことは内緒です、そこで働いている息子には。「横浜市役所」。完璧には子離れできていないことに恥ずかしさはありますが、まあいいじゃないですか。本人に会ったりするわけじゃありませんから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グルメ旅ではありません。熟慮してのセレクトは「豚汁おむすびセット」。とても美味しかったのですよ。何を食べるかじゃなくて、誰と食べるか。温かな会話と適度な空腹。お弁当でも良かったね。我が家の方がお米が、、、。何日も前からのここに来るという目的を果たせたことも、満足をもっと満たしていきます。ごちそうさま。そしてもうひとつのお約束は「あの頃デート」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バラの「イングリッシュガーデン」は焦る気持ちが道を失わせました。少しだけ見覚えのある街角で、駆け出してしまったのは「山手十番館」です。あの日の若さや赤いコートやチェックのスカートまで甦ります。冷たい風の日で、二人して頼んだホットココアのことも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な、なんと、こんなことって。見ての通りの大失策。鎖までかけてある。二階のレストランは手が出ませんが、せめてお茶だけでもの期待はすっかり裏切られて泣きそうだった私。遠いあの日に驚かせてしまった涙は目に入った何かでコンタクトレンズが痛かったからだけど、今日は本当にうなだれているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残り時間はあまりなくて「外人墓地」の坂道を下って、ほら「中華街」が少し見えるこちら側のショッピングストリート。「元町商店街」にはもうお気に入りのサンドイッチのお店は無くて、歩いてみたかっただけです。あの頃みたいに手を繋ぎたいと言えば「ノー」だろうから、そっと寄り添うこれでいい今日の私は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、昨日ネットで見たお店。ここだけでも入ってみよう。女の人には楽しくてもきっとと思っていたら、何か手に取って見ています。「これを」と差し出されたのは指輪、双子座の、金色の、安物の。「買ってくれるの?」「うん」。これは何だかあの日のあの時の出来事と同じです。結婚するなんてふたりとも思ってもいなかったのに、それも通りすがりの小さなお店で500円、今でも一番大切にしている指輪を買ってもらったこと。わーい。今度はうれし涙。左手の薬指へ。また結婚してあげてもいいかな。そのまま帰りの駅まで黙って歩いたけど、私の心はどこにあったのか家についてもまだわからない一日だったのでした。

 

誰がこんな思い出話聞くものかお後の用意がよろしいようで   めぐみ

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